㈱アトリエ・ヌック建築事務所   
勝見 紀子

住まいのつくり様で、すっかり定着してきた吹抜け空間。
一昔前は、見栄えはいいが寒いと敬遠されることが少なくありませんでした。
解放感あふれる雰囲気だけでなく、採光や通風の面で有利なこと、家族空間と上階の個室をつなぐ役目があることなど、吹抜けのよさが広く認知されるようになりました。
同時に断熱性能の向上が寒さという欠点を補うようになり、吹抜けは多くの住まいで取り入れられています。

採光や通風を期待しての吹抜けですから、窓が大事な要素になります。
光を得るために大きな窓を設けたいところですが、高い位置にあるだけに一般的な高さの窓のようには扱えません。開閉や清掃には工夫が必要ですし、高窓ゆえにコールドドラフト現象への対策も講じておかなければなりません。

実例を挙げて、その工夫と対策をご紹介します。

※コールドドラフト現象:冬季、暖かい室内の空気が冷たい窓ガラスに触れて冷やされ、床面に下降する現象。

1階と同じ2間間口の掃出し窓を設置した吹抜け

日射調整とコールドドラフト対策のため建て込んだ障子は、解体した古家のものを転用しました。
窓外はベランダで、スノコのブリッジを通って出入りします。

4枚建ての引違窓を、2階寝室と吹抜けの両方にまたがるように設置

寝室から吹抜けに面した引き戸を開け、手を伸ばして引違窓を開閉します。
清掃時、吹抜け側の2枚のガラス戸を寝室側に引き込めば、ガラス拭きも難なく行えます。

本棚のある土間上の吹抜け空間

上の方の本の取り出しと、吹抜け窓の開閉及び清掃用に梯子を使っています。
ステンドグラス風窓のサッシガラスは、汚れの目立たない型ガラスを使用しており、日々のガラス拭きは行いません。

室内物干し場であるスノコブリッジのある吹抜け

ブリッジに面した方は掃出し窓で、十分な光の取り込みと共に、外物干のベランダへの出入りに利用しています。
小さな方の窓は縦すべり出し方式で、下からチェーンを引いて開閉します。
大きな窓にはコールドドラフト対策がやはり不可欠で、断熱性能の高いハニカム構造のスクリーンを設置しており、スノコの間より垂らしたコードで開け閉めします。

コンパクトな吹抜けのスクエアなすべり出し窓

換気の際は、階段の踊り場から開閉します。