アトリエ海
中村 展子

「木の家づくり」では、設計が終わると、いよいよ工事が始まるわけですが、そこでは完成まで半年近くにわたって、出来上がった家を買うのとはまた違った、とても贅沢で楽しい時間を過ごすことができます。

骨組みを楽しむ

大地の上に柱を建てて屋根を掛け、雨を凌ぐ。その様な、「家」を作るという行為の本質的な力強さを感じるのは、上棟の時です。
基礎の上に1日で一気に組み上がる柱や梁の姿は、構造的な合理性と無駄のない美しさを見せてくれます。

アート作品のような基礎(U邸)

上棟の日 「カテドラルみたい」とは施主の言葉(U邸)

青空と小屋組み(U邸)

下地(裏方)を楽しむ

骨組みの上に屋根や壁などの仕上げ工事を行って、家の形ができて行きますが、それを支える下地の部分も大切で、やはり、理にかなった姿・かたちが見られます。
出来上がってからは見えなくなるものが多いので、期間限定のような美しい姿にも出会えます。

屋根 野地板の斜め張り(O邸)

野地板の隙間からの光が美しい(O邸)

ラス下地板の中に浮かぶ窓(O邸)

手仕事を楽しむ

「木の家づくり」には色々な職人さんたちが関わります。みんな、自分の「手」を使いながら考え、工夫して、物を作っていきます。
機械化され、省力化されていく中にあっても、人の心に深く入り込んでくるものは、やはり「人の手」によって作られたものではないか、と思います。
家づくりの中には、そのような手仕事がたくさんあります。

土壁を塗る左官職人(U邸)

建具用の溝が掘られた杉の枠材(U邸)

 

一本づつ竹を組上げる庭師(Y邸)

 

工事を進める現場では、もちろん大変なことも多いのですが、一つしかない「木の家づくり」の中で、
その時々の面白さや美しさを、楽しみたいものです。