こもり設計室
小森 正和

木造技術の向上やCLTの開発、持続可能な資源としての観点から住宅のみならず中規模の施設でも木造化が進んでおり、再来年には耐火木造で12階の商業施設も建設されるそうです。
そのようななか、小規模ですが住宅ではない木造建築物(お寺の別院)を設計しましたので、ここで紹介いたします。
コンクリート造にはない木造ならではの軽快で暖かみのある雰囲気になりましたのでご覧ください。

深い軒

住宅よりも少しポーチを広くとり軒の出を深くしているので、雨の日でも傘をたたむまで濡れず安心です。
また入口の戸は出入りしやすいよう木製の引戸とし、戸車では重く開け閉めがしづらくなるので、吊戸にして使う人が開けやすいようにしています。

杉の外壁

大部分はラスモルタル仕上げとしていますが、防火指定のない地域でしたので一部に杉の厚板を張っています。
使う塗料は紫外線への耐候性がある色の濃い黒色です。杉板は張った後も伸縮するためあらかじめ塗装しておくと塗り直しがなく楽かもしれません。
メンテナンスについては他の外装材と同様、塗料の防水性能が落ちてきますので塗り替えが必要となります。
木材は定期的に手をかけることで、腐りにくく長持ちし味わいが出る材料です。

構造材がみえる勾配天井

お墓まいりに来たかたの休憩や説法の場所として利用するホールは、座った時に落ち着くよう軒高さを低く抑え、重心の低い部屋としています。
天井には等間隔に並べられた登り梁と構造・仕上げ両方を備えた杉の三層パネルを見る事ができ、壁に塗られた珪藻土と良いコントラストをつくっています。

構造材が天井の仕上げとして表面に出てくる場合、照明の設置には考慮が必要です。
あらかじめ梁に加工し配線を隠したり、壁に器具を取り付けたり色々な方法がありますので実施する際は専門家と相談してください。
今回は差鴨居や開口部の鴨居に器具を掘り込み取り付けています。