NPO木の家だいすきの会
山本 幸恵

杉を積極的に使いたくなる杉の効用の記事が、朝日新聞で取り上げられていました。
前回に引き続き、今回は 大気浄化、リラックス効果についてをご紹介します。

大気浄化、リラックス効果

立ち木から出るフィトンチッドが人にリラックスさせる森林浴効果は広く知られているが、伐採後の材木からも樹種固有の香り成分が常時漂い出て、大気中の汚染物質を吸着し浄化すると同時に、人体によい影響を与える。

京都大学名誉教授の川井秀一さん(木質材料学)の研究では、杉材の浄化能力は極めて高く、二酸化窒素の吸着量はブナの5倍、ヒノキの6倍。シックハウスの原因物質ホルムアルデヒドを吸着することも確かめられた。

内装に杉板を使った家に住む人から「眠りが深くなった」「風邪を引きにくくなった」「肌がきれいになった」などの声が出ていることを知った川井さんは、杉の香り成分が体に与える影響を調べた。

がん細胞の増殖抑える可能性

杉板を張った部屋と、そうでない部屋で30分間計算。作業効率は両部屋で変わりはなかったが、ストレスを加えると増える酵素α-アミラーゼは杉板のない部屋で増え、ある部屋で逆に減少。緊張や興奮で活性化する交感神経は杉板がない部屋で活発化するが、ある部屋では抑えられたまま。香り成分が持つリラックス効果が確認された。

免疫力が高くなると増える物質が杉の机や椅子を置いた学校に通う生徒の体内に多いという研究結果もある。

がんを巡っても興味深い実験結果が出た。川井さんらのグループは、その発現ががん細胞の増殖と関連が深いとされる「熱ショックたんぱく質(Hsp)70」に着目。脳腫瘍細胞を43度で2時間加熱するとHsp70は2.5倍に増えたが、加熱中に杉の香り成分を与えると、ほとんど増えなかった。川井さんらは「まだ細胞レベルだが、杉の香り成分ががん細胞の増殖を防ぐ可能性があるかもしれない」と話す。

同じ杉でも、漂い出す香り成分の量は産地や条件次第で変わる。数ヶ月間、天然乾燥させた材木のそれは、現在主流の、100度以上の高温で乾燥させた材木の2倍以上。色が濃い、木の中央部(心材)は、色が白い周辺部(辺材)より多く、木を縦に切った「板目」より切り株の面「木口」の方が多い。つまり、天然乾燥させた心材の木口から、香り成分が最も多く漂い出す。
(出典:朝日新聞be report 2019年6月15日)

Matsubara E.,Kawai S.,Building and Environment.72,125-130(2014)

現在、木の家だいすきの会でおススメしているグリーンエア工法の低温乾燥の杉材は、なかなか良いパフォーマンスが期待できそうです。(山本)