こもり設計室
小森 正和

2016年に、熊本県で震度6強から7の大規模な地震が起こりました。
建築基準法の耐震基準では、中規模の地震(震度5強程度)でほとんど損傷しないこと。大規模の地震(震度6強~7程度)で倒壊・崩壊しないことが求められており、これは大地震でも命を守るための最低限度の基準といえます。
熊本地震以降も震度5以上の地震は各地で発生しており、今後も中規模以上の地震が起きることが予想されています。

熊本地震により被災

敷地の情報

計画する際に、その敷地がどのような状況かを知る事は重要です。

地盤調査はもちろんですが、その前に地名や古地図、国土地理院が出している航空写真を確認し、以前は何があったのかを確認するようにしています。
それは、古い集落や町であれば河川の氾濫など災害にあう場所をさけ、建物が建てられていたりしますが、新しく開発された住宅地では以前沼や谷のあった場所を造成している可能性があるからです。そうした敷地は、支持力が弱いことや水捌けが悪いことがあります。

また、自治体が出しているハザードマップも有効です。液状化や揺れやすさ、浸水等の情報だけでなく避難場所や気をつける点が書かれていますので、まだ見たことのない人は調べてみてください。

地震に耐えるには

建物に働く力は、建物本体の重さや家具など垂直方向にかかるものと強風や地震など水平方向にかかるものがあります。垂直方向にかかる力は柱や梁で支え、水平方向にかかる力を支えるのが耐力壁と呼ばれる壁です。この耐力壁の長さや配置により耐震性能が変わってきます。

壁の役割

代表的な耐力壁としては筋交いや構造用合板があり、そのほか土壁や格子壁などあります。

筋交いは節や割れにより十分な力を発揮できないことがあるため、私は面材による耐力壁を主に使用しています。
下の写真の白い部分に、モイスという面材が張られています。外壁に木材を使用していることもあり、耐震性と防火性を考え選択しました。
構造用合板を使用する場合もありますが、透湿抵抗が高いため内部結露を起こさないよう室内側にビニールシートの施工が必要となります。

耐力壁を施工中

床や屋根の役割

強風や地震などの水平力を支えるために必要な耐力壁ですが、十分に力を発揮するためには床や屋根を固める必要があります。床や屋根の下地として構造用合板を張るのが一般的ですが、それ以外に火打梁を設けたり、グリーンエア工法のような杉の斜め張りで耐力をとることもできます。

また、大きな吹き抜けを設ける場合は、火打梁を設けるだけでなく柱や梁を大きくする必要がでてきますので注意しています。

写真の物件は、梁をあらわして使うため、表面仕上がされているJパネルという杉の三層パネルを使用しました。この杉のパネルの上に断熱材と通気層が施行されています。

梁材と天井材の表し