(株)澤野建築研究所
澤野 眞一

正式なカウントの方法は定まっていないようですがヒートショックで亡くなる人は交通事故の約4倍とのデーターがあります。
交通事故は交番などに表示が出ていることも多いので目にする方もいらっしゃるでしょう。しかしヒートショックで亡くなる方の人数は各市町村の庁舎や町役場で目にすることはありませんし、交通事故死はニュースになりますがヒートショック死はニュース見たことがありません。
最新の交通事故死者は年間2839人(2020年)一日に直すと7.8人/日になりますが、この4倍は31人/日という数字になりますので、一時間に一人以上の方が毎日亡くなられているということになります。
この数字にもう少し目を向けることが必要ではないかと感じています。

2021年4月省エネ法改正
新築住宅が省エネ基準を満たしているかどうかを、建築士から建築主に説明することが義務化

今年の4月から建築士は建主さんへ温熱環境の重要性と健康について、説明義務が発生し書類を残すことになりました。
構造的に脆弱な建物の危険性はメディアでもよく取り上げられますが断熱的に脆弱な建物はほとんど取り上げられていないようです。
ヒートショック死は多分にその方の生活習慣や持病による影響が多そうだからでしょうか。
さらに行政の役割は断熱性能の良い住宅(建築)への指導など、一次エネルギー削減を含む部分はたぶん国交省?健康生活への指導は厚生労働省?が担っているのでしょうか?
ひょっとしたらこれは縦割り行政の役割分担が別々になっているからでしょうか?

断熱性能が脆弱な建物は人を殺す凶器と化してしまう、ということをもっと認識したほうがよそうです。

太陽とのお付き合いの仕方が、日本とドイツとでは異なっている

断熱の話になるとよくドイツの建物の事例が出てきます。ドイツは断熱の良い建築設計の先進国でそれに比べて日本は後進国というような文章を目にすることがあります。確かにドイツの建築は断熱性能が良いです、が、しかし重要な点が抜け落ちています。ドイツに比べ日本は、特に太平洋側は冬の日射量が大きいです。太陽の日射量は相当な熱量になるため窓を大きくとって暖かい太陽熱を入れることが可能です。こうすれば快適空間が造れます。ところが窓を大きくとると熱は逃げやすく夏は暑いです。このバランスの取り方が日本、特に住宅の設計のポイントとなってきます。
例えば庇やすだれのデザインですが・・・
一方ドイツは冬の日射取得が期待できないため壁と窓の断熱性能を上げることだけを考えればOKということになります。つまり、太陽とのお付き合いの仕方=デザインが日本とドイツとでは異なっているのです。この点がとても重要です。
私どもの事務所ではご覧いただいたようなデーター解析したり日照図を描いて確認することにしています。