日の出町の家は、定年を迎えたご夫婦の住まいです。
今までの忙しい日々から解放されて、楽しみながら家づくりをしてみたい、という希望から計画はスタートしました。

1階では回遊性のある動線を意識しながらオープンな平面計画を行いました。また玄関ホールの吹き抜けや小屋組を見せた2階の天井などで空間のボリュームを確保しました。それによりコンパクトでもゆとりが感じられる住まいとなりました。

柱や梁の構造材は、地元、多摩の木材を主に使い、小山棟梁の手刻みにより加工され、堅固に組み上げられました。まだ寒い2月、近くの山で関係者が立会って伐採した杉の木は、家の要所に建つ三本の柱になりました。

1階では床や天井、建具に柾目のモミの木を使っています。モミの木は、人が安らぎを得られるといわれている成分を出すことで知られ、シンプルな美しさがあります。2階は床や野地板天井に杉の厚板を使い、1階とくらべて素朴な味わいのある空間になっています。
外壁、内壁の左官仕上げは巧左官工芸・鈴木氏によるもので、微妙な色合いやコテ跡に手仕事の面白さを十分に感じることができます。
木や漆喰の素材感、保温・調湿効果を身体で直に味わいながら、シンプルな暮らしを楽しめる住まいとなりました。

  • モミの木の床を張ったリビング

  • リビングから和室を見る

  • 和室

  • 西側外観 ~左官こて仕上げの外壁 少し赤みの入った石灰モルタルのこて仕上げは、光の当たり方によって微妙な表情の違いを見せます。

  • 南側外観

  • 玄関ホール

  • キッチン

  • モミの木を壁材に使った洗面室と浴室

  • 棟梁の技が光る階段ホール 小屋組をあらわしにした階段ホールの吹き抜けを見上げると、この家の屋根の重なりが内部からもわかります。

  • 杉厚板の床と天井

概要
  • 概  要: 地上2階建て
    敷地面積: 195.47㎡
          (建蔽率40%、容積率80%)
    延床面積: 113㎡(34坪)
    設計期間: 12ヶ月
    工  期: 6ヶ月
    完  成: 2004年
  • 主な仕上げ
      屋根: 瓦葺き
      外壁: 色モルタルコテ仕上げ
      内壁: プラスター薄塗
       床: 樅板、杉板、松板
           
           
この家づくりに関わったメンバー

設計・監理  : 中村展子(アトリエ海)
施  工   : 小山一利(三ケ宮建築)
構 造 材  : 浜中木材
内 装 材  : 鈴木 忠(巧左官工芸)
コーディネート: NPO 木の家だいすきの会

設計者が決まるまで

平成15年3月2日

奥さまが国分寺セミナーに初めて参加。

平成15年4月~7月

5月からはご夫妻で参加、計5回のセミナーを受講。

平成15年6月22日

住まいの相談に、所沢の「木の家だいすきの会」の事務所を訪問。
木の家は高価でなかばあきらめていたが、どの程度の建築費でできるか最も知りたいとのことでした。これまでの実績(建築費坪60万円前後)で概算したところ、予算内におさまりそうなことがわかり、ご夫妻の木の家づくりがスタート。
この日はサポートメンバーの5人の設計者のプロフィールをお話し、別れました。

平成15年7月13日

7月5日の建築家の中村さんが講師のセミナーにご夫妻で参加されたあと、ご主人から1枚のファックスが入りました。
「柔らかさと温かみのあるコンセプトに共感しました」ので、是非中村さんを紹介してほしいとのこと。

平成15年7月26日

ご夫妻で中野の中村さんのアトリエを訪問。詳細な要望を中村さんに告げ、早速、企画提案サービスを申し込まれました。

平成15年8月10日

中村さんから企画提案が提出されました。ご夫妻は一部修正を希望し、企画提案を出しなおしてもらうことにしました。

平成15年8月23日

中村さんから、再度、企画提案が提示され、ご夫妻は大変気に入り、中村さんに設計を依頼することになりました。

  • 1階平面図

  • 南面立面図

  • 2階平面図

基本設計

平成15年9月

基本設計がスタート。設計作業は大きく、基本設計と実施設計に分かれます。基本設計は、建て主のライフスタイルを実現するため、間取りなどの家づくりの大きな部分を検討します。

この間、Oさんご夫妻は、福生の家見学会(平成15年7月)、都幾川村の木の伐採見学会(平成15年10月)に足を運び、自分たちの家のイメージを固めていきました。

平成15年12月 大工棟梁を決める

基本設計がほぼ終了し、実施設計に入る前に大工棟梁を決めることにしました。

一般的には、実施設計ができてから入札で工務店を決めますが、木の家だいすきの会ではそうした方法はとっていません。

建て主、設計者、大工棟梁の知恵が結集されて良い家が建つと考えており、設計の段階から大工棟梁に入ってもらうことが望ましいと思っています。
Oさんご夫妻も気に入っている青梅の小山利一棟梁に携わってもらうことに無事決まりました。

  • 大工棟梁の小山さん

実施設計

平成16年1月

平成16年の梅雨明け着工を目指してOさんご夫妻、中村さん、小山さんのコラボレーションで実施設計がスタートしました。

実施設計では、柱・梁・土台などの構造材や床・天井・壁などの内装材などの選定、その他の材料の選定、設備などが検討され、具体化されていきます。

平成16年2月4日

柱・梁などの構造材は地元の木を使いたいというOさんご夫妻のご要望により、地元東京の木を扱っている浜中製材所にお願いすることにしました。
浜中さんが管理を任されている日出町の山で、リビングの柱に使う杉の伐採を、Oさんご夫妻も参加して行いました

  • 地元・日の出町の山に入り、木を伐採しました

  • 伐採の日の朝、ご来光のような日が森に差込ました

  • 小山棟梁作の1/10の木組み模型

建築工事
  • 解体工事が始まりました

  • 地鎮祭

  • 基礎工事

  • 刻み

  • 刻み

  • 2004年9月 上棟の様子

  • 2004年9月 上棟の様子/p>

  • 大工棟梁の技が冴える仕口

  • 屋根工事

  • 漆喰壁の下塗りが完了

  • 楽しみながらの家づくりの締めくくり
    竣工当日、記念の込栓を建主さんに打ち込んでいただきました。
    ※込栓・・・土台や桁と柱、柱と横架材など、接合した材が離れないように両材をつなぐために打ち込まれる栓

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