(株)アトリエ・ヌック建築事務所
勝見紀子

ファミリー世帯の住まいのプランニングをする際、コンパクトな建坪でも、皆が集う居間や食堂はのびのびできる広いスペースとなるように考えます。
そんな中、個室である子ども部屋には大きな面積を割くことはできません。

子ども部屋は、何でもまかなえる広い空間にする必要はないものの、兄弟姉妹が小さなうちは二室分の部屋を区切らずに広く使わせるのがお薦めです。
場所や物を共有して使う経験をさせ、自分たちなりのルールをつくるなど、そこから学ぶことが少なくないと思います。子どもにより適した年齢は様々ですが、いずれ個室が必要な時が来れば、狭いなりにうまく使えるような分割方法を考えておきます。

将来、子どもが独立し家を出た後には、多様な使い方ができるよう、簡単に元の一室に戻せるような分割が理想です。

事例1 必要な時期に壁で分割できるようにしておく

子ども部屋は10帖大。
柱の位置に壁を設ければ、トップライトも仲良く1つずつ、左右対称5帖大の二部屋になります。
それぞれに廊下からの出入り口と洋服収納があります。

事例2 壁で仕切らず、収納で分割

箱型の収納は造り付けでなく、動かすことのできる独立した家具です。
これを部屋の真ん中に背中合わせに配置し薄い本棚を加えれば、南北二室に分けることができます。
移動しても、窓や出入り口を塞がない配置の計画です。

戸をカラフルに塗った収納箱の中は左右に分かれていて、洋服入れと雑多な物の納まる構成です。
高さは丁度ロフト下にピッタリ納まるように設定してあります。
それぞれのスペースから上がれるロフトは共有スペースで、緩やかなつながりを残したままの分割です。

事例3 簡易壁と本棚で分割

子ども達の年齢が高く建築時に既に個室が必要であったため、9帖大のスペースを簡易壁と本棚で分割しました。

それぞれに4帖半弱の広さですが、机やベッドが無駄なくレイアウトでき、決して窮屈なスペースとはなりませんでした。
小さな子ども部屋では広い部屋と異なり、出入り口や窓、コンセント類の位置と、家具の配置をきちんと関連させておくことが重要です。

仕切り部分の簡易壁は天井下で納まり、コンセントなどは設けていないので、無理なく外せる作りです。
本棚も床と天井に留め付けてあるだけなので、将来簡単に動かすことができます。

ちなみにこの事例では、子ども達の衣類収納を部屋内には設けず、廊下を挟んで配置しています。
奥の寝室への動線を効率よく通すためのプランでしたが、不便なく使用できているとのことでした。