アーキネットデザインLLC
代表 市川 均

今回は、敷地の段差を利用したスキップフロア住宅をご紹介します。

この敷地は、昭和の終わり頃に丘陵地を切り開いて開発された古い分譲住宅団地にあり、道路と敷地に1m内外の段差があります。実は、このような1m程度道路より高くなった土地は多くありますので、少しでも皆様の参考になればと思いご紹介します。
このような一般的には短所とされる傾斜のある敷地で設計する際の私の作法は以下の通りです。

1.擁壁は造らずに元々の地形(土地の傾斜)に従う

段差を活かすため、既存擁壁の一部を壊し、半地下駐車場を設けました。
さらに、半地下駐車場からも家の中に入れる通用口を設ける事で雨の日に危険な外の階段を通らなくて良くなりました。

2.スキップフロアは1階と2階の空間の繋がりをよくする

半地下駐車場の上を中2階リビングとしました。
そうする事で、1階のキッチン、ダイニングと2階のプライベートな空間の双方を見渡せるリビングとなり、まさにリビングが家の中心となりました。

3.スキップフロアは視線の高さの違いを活かす

1階のダイニングは椅子の生活、そこから階段3段上がったリビングはローソファーや床に直接座る座の空間になります。
そして空間は一体です。
この時この3段の床の段差は、1階の椅子に座る家族と、中2階の床に座る家族の目線の高さを同じにしてくれます。
これが、リビングとダイニン後の一体感を演出します。

このように、土地に傾斜や段差がある事を、当たり前のデメリットとせず、如何にしてメリットにするか。
その家族ならではの解決策を探す事は、設計の醍醐味です。
是非皆さんも、建築家と共に、それぞれの土地や環境にとことん向き合って豊かな家づくりを体験して下さい。