NPO木の家だいすきの会
鈴木 進

そもそも「道楽」とは?!

文京区千駄木の旧安田楠雄邸は、“普請道楽”として有名な豊島園遊園地の創業者で実業家の藤田好三郎が大正8年に建築した近代和風建築です。
「食」道楽、「着」道楽など「〇〇」道楽という中で、“普請道楽”は、身上をつぶすほどの贅沢な道楽と言われています。落語では、「道楽者」や「道楽息子」が登場し、現代では、“道楽”は否定的な意味で使われることが多いようです。

ところで、江戸時代の三大道楽は園芸道楽、釣り道楽、文芸道楽で、収入のなくなったご隠居が本格的にとりくむ趣味、生活を豊かにする楽しみでした。
そもそも「道楽」という言葉は仏教用語で、「仏道修行によって得たさとりのたのしみ、法悦の境界」ということだったそうで、より深い意味があったことがうかがえます

木の意だいすきの会が提案する、SDGs的“新普請道楽”

木の家だいすきの会では、建て主の方が参加して楽しみながら家づくりを進める取組を進めてきました。
これまでに大黒柱の伐採見学、左官壁塗りのワークショップ、桁丸太の皮むきなどを実施してきました。

昨年から新たに取り組んでいるのが、組子と和紙のDIY建具づくりです。
建て主の方に組子の製作や手漉き和紙づくりに参加して頂き、ご自身がひと手間加えることで世界に一つとない「オンリーワン」の家づくりをする狙いです。
木の家だいすきの会はときがわの森のスギを使った家づくりを進めていますが、このときがわ町は建具や手漉き和紙の伝統的な技が受け継がれている里です。
建て主の方に1~2日ときがわ町に来てもらい、組子の製作や手漉き和紙づくりをご家族で体験、できた組子や和紙を使って職人が建具をつくるプロジェクトです。
今年度は林野庁の助成も頂き、若いデザイナーの参加も得て洋風の室内にもあうモダンなデザインの建具を開発することができました。

小さなお子さんも、楽しそう。

若いご夫婦の新居の建具に

完成した建具

建て主の方が家づくりに参加することで、お住まいへの愛着は数倍にも高まります。
このことは世界が絶賛する「もったいない」という気持ちの土台にもなると思います。
そして何よりも、江戸時代の庶民が生活を豊かにするために取り組んだ本格的な趣味と同様に、これからの時代のSDGs的“新普請道楽”と言えるのではないでしょうか。