東京・多摩の伐り旬材を柱や梁、床に使った住宅です。
一昨年の秋に伐採し、翌年の春先まで葉枯らし乾燥した杉を中心に、小山利一棟梁の手刻みで加工し堅固に組上げました。
建主の希望による濃色の塗装と壁の白いプラスター仕上げが、古民家のような落ち着いた雰囲気の内部空間を生み出しています。
生活の中心となる居間、食堂、台所を2階に置き、小屋組を露わしにした高い天井と、居間からつながる木のバルコニーによって、開放感を感じる住まいになっています。
切妻屋根のシンプルな形は、隣接してこれから建つもう1棟の住宅と、対になることを想定しています。外壁は内壁と同じ巧左官工芸・鈴木氏の手により、やや赤みを帯びた色調とコテむらにより、生き生きとした仕上がりになっています。
概要
- 概 要: 地上2階建て
敷地面積: 165.3㎡
(建蔽率60%、容積率200%)
延床面積: 100㎡(30坪)
設計期間: 6ヶ月
工 期: 6ヶ月
完 成: 2007年 - 主な仕上げ
屋根: 瓦葺き
外壁: 色モルタルコテ仕上げ
内壁: プラスター薄塗
床: 杉板(厚30、15)
この家づくりに関わったメンバー
設計・監理 : 中村展子(アトリエ海)
施 工 : 小山一利(三ケ宮建築)
構 造 材 : 秋川木材協同組合
内 装 材 : -
コーディネート: NPO 木の家だいすきの会
施工プロセス
2005年11月に実施した東京都あきる野市の秋川木材協同組合の森での伐採見学会に、お施主さんも参加して、住宅に使用する木材となる木を伐採し、家づくりがスタートしました。
概ね設計がまとまってきた後は、小山棟梁がつくった1/10の迫力ある構造模型を前に、建て主さんと大工さんと打合せしながらすすめました。