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木の家コラム
森林破壊と文明崩壊
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エコサイド
2018年1月から3月にかけて、NHKが進化生物学者のジャレド・ダイアモンド博士の「ヒトの秘密」全12回を放送していました。
ヒトと動物の違いと共通点に注目し、言語やアートの本質、夫婦の不思議、格差、環境破壊や、戦争と大量虐殺など人間が抱えている問題を解き明かすという内容でした。
私は、途中から見たのですが、非常に興味をそそる内容で、再放送があれば全編をもう一度見たいと思っています。
そのダイアモンド博士は、自然破壊・環境破壊による人口激減や文明崩壊をジェノサイドにならって「エコサイド」と呼んでいます。
森林破壊が深刻な食糧不足を誘発
1995年に世界遺産に登録されたイースター島は、今では草原に巨石が点々と立つ景観で観光客を誘っていますが、かって森林に覆われた島であったことを誰が想像できるでしょうか。
200年前の1774年にイギリスの探検家のジェームズ・クック船長が島に上陸した際には、「島中が骸骨で覆われていた」と語っています。
ジャレド・ダイアモンド博士によれば、18世紀前後に『人口爆発』が起こり、モアイ像作製と焼き畑農法のために森林破壊が進み、深刻な食糧不足を引き起こしたため、部族間の武力戦争が勃発したそうです。
イ-ースター島のように、かって文明が栄えた地で森林破壊が進み、人が住まいなくなってしまった土地は全世界の各地に見られます。
日本の森林は戦後の努力の賜物
日本列島の場合、歴史的にははげ山であった時のほうが多く、極言すれば森林国になったのは戦後の植林の努力の結果です。
今後も森林国であり続けるためには、ジャレド・ダイアモンド博士の警鐘を肝に銘じて、森林国になった今、これからどう取り組むか真剣に考えなければならないと思います。