馬と木材のはなし
今年は「午年(うまどし)」ですが、昔から、馬と林業とは深い関係があります。伐った木材を山から運び出し、その丸太を何本も積んだ荷車を町まで曳いていく、といった風景は、昭和中期までは良く見られました。しかし、機械化によって、ほとんど消えていきました。伐った木材を山から馬を使って運び出す作業を「馬搬」と言います。日本では見られることの少ないこの「馬搬」も、ヨーロッパでは「ホース・ロギング」と呼ばれ、林業や森林整備の重要な作業として位置づけられています。

今年は「午年(うまどし)」ですが、昔から、馬と林業とは深い関係があります。伐った木材を山から運び出し、その丸太を何本も積んだ荷車を町まで曳いていく、といった風景は、昭和中期までは良く見られました。しかし、機械化によって、ほとんど消えていきました。伐った木材を山から馬を使って運び出す作業を「馬搬」と言います。日本では見られることの少ないこの「馬搬」も、ヨーロッパでは「ホース・ロギング」と呼ばれ、林業や森林整備の重要な作業として位置づけられています。
SDGsの観点から「伐って、植えて、育てる」という森林の循環利用が大切であることが理解されるようになってきました。熱帯雨林の伐採が環境破壊として問題視されるなかで、20年前は「日本でも木を伐ることは森林破壊になるでしょうか?」という質問に「人工林が多い日本で今必要なことは、伐って植えて育てることです。」と正確に答えられる人は3割程度でした。現在では、この割合は相当高まっていると思います。木の家だいすきの会でも、木材利用促進法の施行後(2010年)にスタートした林野庁技術支援事業の派遣専門家として全国各地の木造・木質化のアドバイスをしてきて約15年経ちました。こうした世の中の意識の高まりもあって、中大規模施設の木造化・木質化のプロジェクトが全国で進められるようになってきたことを実感しています。このように社会的認識が高まるなかで、「専門家である設計者や施行者に求められることは何か?」と考えた時に頭に浮かんだ言葉が、「山を知らない設計者が山をほろぼす」という三井所清典氏(日本建築士会連合会元会長、芝浦工業大学名誉教授)の言葉です。
日本は傾斜のきつい山地で林道の整備も進んでいませんので、運び出すための条件も考慮して使うことが必要となります。立木はまっすぐ見えても微妙に曲がっていますので長尺材の歩留まりは悪くなりがちです。丸太はよく使われる3mないし4mに伐採現場で切断され、土場に運ばれてきます。長尺や径の太い丸太は事前に情報を伝えておかないと入手が難しいし、価格も高くなります。したがって、建築コストを抑えようとすれば、地域で入手可能な木材情報を設計前に把握し、地域の大工さんが取り組みやすい在来軸組み工法で設計することが有力な選択肢になります。ところで、原木市場が担う“選木”機能は森林資源を余すところなく活用する役割を担っています。丸太が全て建築用の製材として使えるわけではなく、杭などの土木用材料、集成材・合板・LVLなどの木質材料の原料、紙の原料、燃やして熱源とするなどの需要があり、それを仲介する機能を担っています。森林資源のカスケード利用を促すため、製材や集成材等の木質材料をどう選択して使うか、地域の事情を把握して設計することも必要です。
私が修行した設計事務所は職人の手による家づくりを目指していました。家が新建材と工業化へ向かう時代に対して自然素材や人との関係から生み出される家づくり、モノづくりを大切にしようと。 玄関ドアや窓は建具職人による手造り。木の建具は風格があって味わいが増します。
所長の考えは「高気密高断熱は自然ではない。」「エアコンは無粋だ。」「風の通り道を考え夏はカヤを吊って過ごすといい。」(いっとき事務所でカヤの販売手伝いもしていたくらい) 20年以上前は今ほど暑くなく、断熱や気密も今ほど注目されていませんでした。
しかし今は連日の猛暑に熱帯夜 とてもじゃないけどカヤで快眠は難しいでしょう。断熱と気密への意識が高まると同時に知識や技術もあがりました。世間も性能を求めるようになりました。 住まいは時代を写します。自然の力だけで心地よく過ごすのは難しくなりつつありますし 我慢を良しとする時代でもありません。健康的な住環境を考えると断熱、気密の性能を上げていくこと エアコンなどの設備に頼る事も大切です。
採光や庇といった昔からの知恵も使って出来るだけ省エネにしながら、新しい技術や機械も採用するバランスが求められます。ただし、気をつけたいのが性能と経済性だけにとらわれると住まいがどこか息苦しい。ビニルハウス、冷蔵庫の中のように感じてしまうのでしょうか?それに情緒がないというか。
家づくりをする上でどこか自然を感じられるようにしたい思います。
軸足は自然とともに
天空の城ラピュタで「土から離れては生きられないのよ」という名台詞があります。
家もまた「自然と切り離された住まいは息が詰まるのよ」と感じています。
これほど暑くなかった半世紀以上前の夏休みの思い出です。栃木県足利市内の渡良瀬川の土手の脇に木造平屋の祖⽗⺟の家がありました。小学校の夏休みにはひと月近く泊って、田舎の暮らしをしました。朝の土手の上でのラジオ体操から始まって、川で泳ぎ、河原や原っぱ、桑畑の中を駆けまわって遊びました。夕方の雷に怯えつつ。
住宅などの建築物をつくる時、「確認済証」と「検査済証」という書類が必ず必要になります。工事の前にこの設計で建てて良いか、自治体や民間の審査機関に申請してもらえるのが「確認済証」で、これが無いと工事に着手することができません。(1999年に建築基準法が改正され、「確認通知書」から「確認済証」という名称に変わっていますが同様の書類です)また、完成時に設計通りちゃんと建てられているか検査を受け、合格するともらえるのが「検査済証」です。これから住宅を新築する場合は当たり前のようにもらえる書類ですが、既存住宅のリフォームなどを行う場合、これらの書類が有るか無いかで、今後は状況がかなり変わってきます。
現代では核家族での生活が一般的ですが、いずれは家族の形が変化し、拡大家族として暮らすことも珍しくありません。そのきっかけの一つとして多いのが、夫や妻の両親のうちどちらかが一人暮らしとなり、生活の不安から同居を考えるケースです。その際には、新築やリノベーションを機に同居を始めることもあります。 しかし、年齢や生活背景の異なる世代が同じ家で暮らすには、生活リズムや価値観の違いから、無意識のうちにお互いに負担やストレスを感じる場面が出てきます。だからこそ、「どうすれば高齢者と気持ちよく暮らせるか」を考えることは、家づくりにおいて大変重要な課題となります。 高齢者と同居するといっても、生活のすべてを共有することは現実的ではありません。食事の時間や睡眠のリズム、趣味や過ごし方はどうしても異なり、完全に同じ行動パターンを持つのは難しいからです。 例えばリビングと直結するような部屋は便利に思えますが、常に気配を感じることでお互いに落ち着かないこともあります。そのため、少し距離をとりながらも行き来しやすい空間配置が望ましいといえます。 ただし、反対に独立性が強すぎて互いの存在が見えなくなるのも考えものです。気軽にリビングへ出てこられる程度の距離感、つまり「近すぎず遠すぎず」が理想的な関係をつくります。
洗濯物を室内に干す際、どこに吊るしていますか?雨の日や夜間の洗濯のため室内にも干せる場所を設けてほしいという要望は、殆どの建て主さんから発せられます。近年は、雨天時だけでなく、基本的に外には干さず、室内干し又は衣類乾燥機だけを使うという前提の要望も増えてきました。花粉や排ガスの影響、干す時間の制約、紫外線による色褪せといった外干しのデメリットが、メリットを上回るとの判断でしょう。洗濯物を早く乾かすためには、温度・湿度・空気の流れの三つがそろえばよく、日照は必須条件ではないことが知られるようになってきたこともあるでしょう。室内干しを採用した事例をご紹介します。
住まいは長い時間を過ごす場所だからこそ、目や手など身体に触れる素材が大切です。特に、足が触れる床材には気をつけています。色や質感だけでなく、耐久性、耐水性などそれぞれの特性を意識して使い分けています。天然の木材をそのまま使用したフローリングの事です。複合フローリングとは異なり、1枚の木から切り出された材料を使っているため、木目や色合いが1枚1枚異なり、自然な風合いと質感が楽しめます。木の種類により色や質感が異なるため、実物を見ながら選ぶのをお勧めします。また、熱伝導率が低く冬場でも冷えにくかったり、調湿作用もあります。:比較的柔らかいためクッション性があり、長時間立っていても疲れにくく、足に優しい樹種です。時間が経つにつれて飴色に変化していきます。温かい感触の反面、柔らかいので傷がつきやすくもあります。:初めは白っぽい色合いですが、時間が経つにつれて飴色に変化し、味わい深い風合いになります。香りが良く油分も含んでいるので腐りにくく、杉よりもキズがつきにくい樹種です。:節が少なく、はっきりとした力強い木目が特徴です。また、広葉樹の中でも特に硬い木材で、傷や凹みに強い樹種です。普段は掃除機でホコリを取り、水拭きは避け、米の研ぎ汁を加えた水で固く絞った布で拭くと木のカサつきを防げます。落ちにくい汚れは、固く絞った雑巾で拭き、仕上げに乾拭きで水気を取るとよいでしょう。塗装は撥水性がなくなり水が染込むようになったら再塗装の時期です。1〜2年に1回が目安です。水廻りは早めに再塗装をして下さい。
伐採したばかりの立木は水分を多く含んでいます。杉は水を好む樹種なので、伐採したばかりの年輪に触れるとしっとりと手が濡れます。伐採直後から乾きはじめ、乾くことで収縮します。正確に言うと、木の含水率が大気中の含水率(関東地方では約15%)になるまで乾燥が進むと収縮は止まります。
家づくりでは木材を乾燥させて使うことが大切ですが、乾燥のさせ方で木材の性状が変わってきます。木本来の香りや色合いなどを保全するためには、時間をかけて天然乾燥することがベストですが、管理が難しくコストや時間もかかるため、人工乾燥が一般化しています。
木の家だいすきの会で数年前から実用化している“彩の香り杉”も天然乾燥に近い中低温の人工乾燥方式で樹液成分の漏出を抑え、杉本来の香りや色つやを保全した杉材で、これを使って家づくりをお薦めしています。
新築住宅、省エネ性能向上リフォームに利用できる補助金制度「子育てグリーン住宅支援事業」の創設が、発表されました。2050年のカーボンニュートラル実現に向け、ZEHやGX志向型住宅の普及を推進し、省エネリフォームを強力にサポート。「脱炭素社会実現」に向けて性能基準をさらに強化された内容になっています。新築住宅、リフォームそれぞれどのような内容か、下記にご案内します。
2024年度の「子育てエコホーム支援事業」とは異なり、全ての世帯が対象になります。