だいすきだから、
木の家コラム
「木の家」の実力
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今年は本当に「暑い」夏でした。40℃に迫る気温も度々で、東~北日本も、もはや「亜熱帯」気候では?という声も聞こえてきます。
暑い夏といえば、随分前になりますがタイのバンコクに旅行し、真夏の昼下がり、タイのシルク王・ジムトンプソンの旧住居だった「ジムトンプソンの家・博物館」を訪れました。タイの伝統的建築様式を取り入れたものでしたが、仄暗い室内のひんやりしたチーク材の床の足触り、深い軒から、緑濃い花の美しい庭に複抜ける風の心地良さが、今でも思い出されます。
バンコクでもホテルやオフィスなどは、冷房を思い切り効かせて、外とは「別世界」というのが当時の最先端だったようですが、タイの自然と融和した「ジムトンプソンの家」は、都会のオアシス、といった雰囲気でした。
風土の違いはありますが、亜熱帯になりつつあるらしい関東周辺でも、住まいには同じような心地良さが求められているのではないでしょうか。
3年前に竣工した木の家は?
先日、三年点検にうかがったKさんのお宅でも、今年の夏の暑さが話題になりました。
どのようにこの夏を乗り切られたか、気になるところでしたが、夜、寝るときはエアコンを一度も使わなかった、とのお話でした。
寝室のある2階は屋根が近いので、1階と比べ室温は高くなりがちですが、通気工法を併用した屋根の断熱と、窓からの通風で、耐えられる温度が確保できたようでした。
昼間も1階のエアコン1台を動かしているだけ、とのことでした。
Kさんのお宅は埼玉県上尾市にあり、2019年に竣工しました。
「とき川」の木材を柱や梁の構造材に使い、伐採にも立ち会った杉の大木を大黒柱にしています。バリアフリーを考慮して多用した引き戸を開けると、1階はほとんどワンルームの様になり、大黒柱を中心とした吹き抜けのある開放的な空間です。
山に立っていた1本1本の杉が柱や梁となり、足触りの良い桧の無垢材の床や、漆喰の壁と共に優れた吸放湿性を発揮して、快適な室内環境を作り出しています。
又、夏だけでなく、これから寒くなる冬の季節も、極端に室内温度が下がることなく、控えめな暖房で過ごすことができます。
この様に、無垢の木材や漆喰の自然素材を生かして作られた何軒かのお住まいを、点検等でうかがう時に、改めて、木の家の「力」を感じるこの頃です。