杉の香る住まい
猛暑のこの夏、街を歩いていてホっとするのは、樹木に出会った時です。
木陰に入った途端、焼けるような日射が緑の影に替わり、涼しい風とさわやかな香りに包まれ、ここなら何とか生きていけそうな気がしてきます。
これからの暑さ対策には、街じゅうに樹木を植えるしかないのでは、と思わされます。
猛暑のこの夏、街を歩いていてホっとするのは、樹木に出会った時です。
木陰に入った途端、焼けるような日射が緑の影に替わり、涼しい風とさわやかな香りに包まれ、ここなら何とか生きていけそうな気がしてきます。
これからの暑さ対策には、街じゅうに樹木を植えるしかないのでは、と思わされます。
将来の体の衰えを見据えての住まいや、老親のための住宅改修など、設計でお手伝いする機会は少なくありませんでした。
高齢者にとって移動を安全にすることと介護が受けやすいこと、関係者にとってはお世話がしやすいことが、新築でもリフォームでも考え方の軸になります。1階だけで生活ができること、段差を無くすことを基本にすることがしばしばなのですが…。ここで紹介するのは、86歳と82歳の高齢夫婦、筆者の父母の住まいについてです。
現在、二人が暮らす築22年30坪弱の住宅は、元々次女夫妻が建てた家です。次女夫妻が家を建てて10年が経過した頃、3人の子供たちが大きくなり何かと手狭であるとの話が持ち上がり、父母が住む向かいの45坪住宅と入れ替わり引越しを行っていました。次女夫妻が建てた家30坪住宅は、スキップフロアのつくりで、道路レベルの駐車場階、半階上がってメインフロア、また半階上がって寝室・収納・トイレ、さらに半階上がって子供部屋フロアの構成です。家の内外に4つの階段があり、小上がりまであるという、言ってみればアップダウンの多い家です。父母がここに住み始めた年齢は74歳と70歳。リタイヤしてまだ数年で体の衰えはみられず、二人それぞれの趣味や孫たちのサポートに忙しくしていた頃でした。
写真は2011年の完成見学会のときに撮ったもので、スギの無垢材で作ったベッドです。
建て主の方が特に願って建具屋さんに作ったもらったものでした。私は、この時はまだ還暦前で快眠を謳歌していましたので、あまり気にもとめていませんでした。
この時から10年経ち、歳を重ねるごとに、朝早く眼がさめて睡眠時間が短かくなったり、夜トイレに起きなくてはならなくなったりと、十分に寝られなくなるようになって、あの時の建て主の方の思いが理解できるような気がします。
杉を積極的に使いたくなる杉の効用の記事が、朝日新聞で取り上げられていました。
前回に引き続き、今回は 大気浄化、リラックス効果についてをご紹介します。
冬季にエアコンを使っていて喉を傷めた経験はありませんか。
空気が乾燥すると、口や鼻の粘膜が乾燥して病原菌が体内に入りやすくなります。冬にかぜやインフルエンザにかかりやすくなるのは病原菌が増えるだけでなく、空気の乾燥により人間の防御機能が落ちることも原因と言われています。
インフルエンザウィルスは室内温度による違いはありますが湿度が50%を超えると激減するため、冬季の室内の湿度を40%~60%に保つと良いと言われています。調湿性能の高い建材を室内に使用すれば、冬季の乾燥した時期には建材が放湿し、夏季の蒸し暑い時期には建材が吸湿します。
しかし、大壁工法の家によく使用されているフローリングやビニールクロスでは調湿性能は期待できません。
このため建材メーカーでは、調湿性能を持った建材の開発を進めています。
ベネチアは、中央の大きく蛇行する大運河と路地のような無数の運河がおりなす「水の都」です。ベネチアの特徴をなす運河ですが、運河を管理する行政官は特別な職種で、就任式が18世紀までつづくベネチア共和国の元首によって取り行われました。
その際には「この者の功績を讃えよ、それに相応しい報酬を与えよ、しかし、この地位にふさわしくないとなったら絞首刑に処せ。」と宣言されました。
運河の管理がベネチアの生命線ともいえる重要な仕事であったためです。一見、計画がないように見える運河のかたちは一貫した原理によってつくられていたのです。
それは、恐ろしい伝染病を防ぐため、川の流れと潮の満ち引きを利用して、自然をとりこみながら水が滞留して腐らないよう、常に水の流れをつくりだすよう計画され、改善されてきました。交通手段として使うというのは二次的な目的で、「健康」な街をつくるというのが、ベネチアの都市づくりの原理で、その結果として現在のようなヒューマンスケールの魅力ある街ができたのです。
日本の浴室での死亡事故者数は、欧米先進国の 10 倍以上で世界的に見ても群を抜いて大きいことをご存じでしょうか。日本ではヒートショックで亡くなる人は、実に交通事故死亡者数約 4 千人の 3.5 倍に当たる年間 1 万 4 千人に達します。
交通事故の死亡者数は 1970 年に 1 万 7 千人に達し、大きな社会問題となった結果、全国的な交通事故撲滅運動が展開されて 2013 年には約 4 千人にまで減少しました。ヒートショックによる死亡が国民的課題になるのも時間の問題と言えるでしょう。
ヒートショックの理由としは、「浴槽につかることを好む」うえに「浴室の室温が低いこと」などが大きな理由と言われており、住宅の温熱環境が主要な原因の一つとなっています。