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木の家コラム

梅雨でも心地よく!カビに悩まされない住まいの調湿対策

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梅雨の時期には、湿度が高まりジメジメ、フローリングがペタペタ・・・など、家の中の湿気やカビは悩みの種という方も多いのではないでしょうか。これらは不快感だけでなく、健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。

心地よく健やかに暮らすための基礎知識として、湿度が健康や建物に与える影響や、湿気やカビ対策のポイント、快適湿度の住まいづくりについてご紹介します。

高湿度が身体や建物に与える影響

アレルギーや呼吸器疾患の原因に
湿度が高いと、ダニやカビの繁殖に適した環境が作られ、アレルギーや呼吸器系疾患の原因になり得ます。免疫力が発達していない小さな子どもや、免疫力が低下している高齢者は、影響をより受けやすいので注意が必要です。
また、ペットを飼われている方であれば、ペットの毛に付着する細菌やノミも繁殖しやすくなり、ペットの健康にも悪影響を与える可能性があります。

自律神経に影響も
高湿度は自律神経を乱す原因にもなります。
体は通常、交感神経と副交感神経が入れ替わりながらバランスをとっていますが、高湿度によってそのバランスが乱れ、副交感神経が優位になると体のだるさを感じてしまいます。
例えば、なかなか寝付くことができなかったり、動悸、不安や緊張などを引き起こしてしまうこともあります。

高すぎる湿度は、建物にも影響が…
過剰な湿度は建物にも悪い影響を及ぼします。
・シロアリなどの害虫を呼ぶ
・木材を腐らせる腐朽菌が繁殖する
・木材がカビで劣化する

湿度が低すぎても…
湿度が低ければ低いほどよいのかというと、そういうわけでもありません。湿度が低い状態、いわゆる乾燥状態でも健康に悪影響を及ぼすことがあります。
喉が乾燥し、気道粘膜の防御機能が下がり、その結果、インフルエンザなどにかかりやすくなってしまいます。 また、肌や髪なども乾燥し、目のドライアイにつながります。

快適な湿度とは

人間が健康に過ごせる相対湿度は40~60%とされています。
湿度が80%を超えるとカビやダニが発生しやすくなり、反対に湿度が40%以下になると乾燥し過ぎでウイルスが活発になります。

心地よく健康に過ごせる住まいのために

カビが生えやすい条件とは
温度・湿度・栄養の3条件が揃うと、カビが発生します。
①湿度60%以上 80%以上になると一気に繁殖
②温度20~30℃ 最もカビが活発に
③栄養(ホコリ、皮脂、食べカスなど)
これらが揃わなければ、カビの繁殖を防ぐことができるということです。
上手にコントロールして、未然に防ぎましょう。

健康にも建物にも悪影響を及ぼす湿気をコントロールしよう

換気・風通し
湿度コントロールするために簡単かつ費用かからずできるのは換気です。
「入口」と「出口」を意識して、部屋の2方向に1つずつ、また高さ違いで1つずつあると効率よく換気でき、同時に湿気も排出できます。
窓がひとつしかない部屋は、開いた窓に扇風機を向けて換気のサポートをすることも有効です。
クローゼットや押し入れの風通しも気を付けましょう。扉付き収納は、モノとモノ間に空間を空けたり、たまに扉を開いて風を通すとよいですよ。

除湿
エアコンの除湿機能も簡単かつ効率的です。上手に使ってコントロールしましょう。

家づくりの際に考えるべき2つの湿気対策

(1)風通しの良い間取り、窓の設計

窓の配置や形状を工夫しましょう。
まずは、家の立地における風の向きについてチェックしましょう。その上で、引き違い窓だけでなくウインドキャッチ窓など使って、上手な自然換気ができるようにしましょう。
また部屋の建具をドアではなく引き戸にすると、開けておいても邪魔にならず、空気の通り道を確保しやすくなります。

(2)調湿する素材を使う

快適な室内環境を作るのに欠かせないのが「調湿する素材」です。「調湿する素材」とは、特別なものではなく、昔から使われてきた漆喰や、無垢の木材です。たとえば「壁」「天井」「床」にこれらの「調湿する素材」を使うと、感じる前に不快な湿度を吸い取ってくれるので、梅雨時や夏場には特に違いを感じるますよ。

家づくりの際にこれらの工夫をしておくと、エネルギーを使わずに快適な住まいを保てます。

湿度をため込まない通風工夫や、空間設計や間取りや動線、素材選びにこだわることで、カビに強く梅雨も快適な家づくりが、現在お住まいのお家でも、リフォームでも可能です。

上手に湿度をコントロールして、快適に暮らしたいですね。

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