空き家を住み継ぐ -ゲストハウスによる再生
かつては人が住み生活が営まれていた建物も、住み手を失うと人の出入りが途絶え、窓は閉ざされ明かりが灯らなくなります。長い年月をかけて出来上がってきた通りの佇まいも、そこだけ時が止まり、やがては荒んだ印象に。
建物が空き家となる現象は、高齢化・人口減少・相続問題という日本社会の構造的問題の現れなので、一朝一夕に解決するものではありません。人口が頭打ちになってもどんどん新しい家をつくり続け、親の家を住み継がないことが当たり前になった結果の、空き家増加です。空き家となった建物を見てみると、特定空き家と呼ばれる倒壊の危険・衛生上の有害性・景観阻害があり除却が必要とされる建物は一部で、手を入れればまだまだ使える、建物自体の寿命を迎えていない家が大半のように見えます。こういったまだまだ使える建物を、親の家を受け継ぎ暮らす流れ、若い人たちの住まいとして売買される流れ、地域に必要な施設への転用など、あらゆる柔軟な形で生かされていくことこそ、人口減少を迎えてしまった日本社会の成熟した姿に思えます。紹介する2軒の建物は、町中の空き家を改修してゲストハウスに用途を変え、住み継ぎを果たした例です。
