だいすきだから、究める。

木の家コラム

住まいのカタチ

ここ数年は新築よりも既存住宅改修や古民家調査の仕事が多くなってきました。昔の住宅と今の住宅の大きな違いは外との繋がり方の違いのように感じています。昔ながらの日本家屋は開口部が大きく、部屋も続き間で襖や障子で区切っていました。
今の住宅は、高気密高断熱化が進んだことで開口部は少なめ小さめとなり、部屋は個室化が進みました。熱の出入り部分を少なく、部屋も区切ることで、熱のコントロールはしやすくなったとは思いますが、空間としてのおおらかさは失われてしまうようで少し残念でもあります。 写真は東京国立博物館にある九条館という建物です。京都にあった九条邸の一部が移築されてきた建物です。外周部に縁側が回り、日中は開け放たれ夜は雨戸で閉じることができます。その内側に襖で仕切られた和室二間の周りをぐるっと廊下が配されていて、和室との間は障子で区切られています。雨戸を閉じると、屋外と和室の間は二重の空間で囲まれることになります。気密という意味では隙間はありますが、和室は二重の空気層で囲まれることで断熱性も考えられていたのかもしれません。また、室内の方の廊下の天井隅には小さな開口部があり、廊下に火鉢を置いた時の煙抜き用の換気口だったとか。

住み慣れた家で、これからも安心して暮らすために

今住んでいる家のことが、ふと気になることはありませんか。
傷みが目立ってきたけれど、まだ住み続けられるのか。地震がきたとき、この家は大丈夫なのか。冬の寒さがこたえる——長年暮らしてきた家への疑問は、意外と多いと思います。しかし、どこに相談すればいいのかわからない、という方も少なくないでしょう。
そんな時は、既存住宅の調査・診断や改修、維持管理などについて知識と経験をもつ専門家に、話を聞いてみることをおすすめします。長く住むほど慣れてしまい、寒さや暑さ、使い勝手の不便さも、日常の中で少しずつ受け入れられていきます。しかし、住まいの調査を行うと、その違和感には理由があることが見えてきます。空気の温度だけでなく、床や壁、天井の表面温度や断熱性能が大きく影響しています。暖房をつけていても足元が冷たいという感覚は、床の断熱性能の低さがそのまま現れているものです。

断熱や空調 時代の変移と今の家

私が修行した設計事務所は職人の手による家づくりを目指していました。家が新建材と工業化へ向かう時代に対して自然素材や人との関係から生み出される家づくり、モノづくりを大切にしようと。 玄関ドアや窓は建具職人による手造り。木の建具は風格があって味わいが増します。
所長の考えは「高気密高断熱は自然ではない。」「エアコンは無粋だ。」「風の通り道を考え夏はカヤを吊って過ごすといい。」(いっとき事務所でカヤの販売手伝いもしていたくらい)  20年以上前は今ほど暑くなく、断熱や気密も今ほど注目されていませんでした。
しかし今は連日の猛暑に熱帯夜 とてもじゃないけどカヤで快眠は難しいでしょう。断熱と気密への意識が高まると同時に知識や技術もあがりました。世間も性能を求めるようになりました。 住まいは時代を写します。自然の力だけで心地よく過ごすのは難しくなりつつありますし 我慢を良しとする時代でもありません。健康的な住環境を考えると断熱、気密の性能を上げていくこと エアコンなどの設備に頼る事も大切です。
採光や庇といった昔からの知恵も使って出来るだけ省エネにしながら、新しい技術や機械も採用するバランスが求められます。ただし、気をつけたいのが性能と経済性だけにとらわれると住まいがどこか息苦しい。ビニルハウス、冷蔵庫の中のように感じてしまうのでしょうか?それに情緒がないというか。
家づくりをする上でどこか自然を感じられるようにしたい思います。
軸足は自然とともに
天空の城ラピュタで「土から離れては生きられないのよ」という名台詞があります。
家もまた「自然と切り離された住まいは息が詰まるのよ」と感じています。

補助金制度「子育てグリーン住宅支援事業」が国土交通省より発表されました。

新築住宅、省エネ性能向上リフォームに利用できる補助金制度「子育てグリーン住宅支援事業」の創設が、発表されました。2050年のカーボンニュートラル実現に向け、ZEHやGX志向型住宅の普及を推進し、省エネリフォームを強力にサポート。「脱炭素社会実現」に向けて性能基準をさらに強化された内容になっています。新築住宅、リフォームそれぞれどのような内容か、下記にご案内します。
2024年度の「子育てエコホーム支援事業」とは異なり、全ての世帯が対象になります。

【現場監督コラム】断熱リフォームの現場監督の考え

築32年経った鳩山町のM様邸リフォーム工事で、今年1月の下旬からお世話になりました。在来浴室をUBに交換し、隣の洗面脱衣室も断熱材の改修を行う為に床全てと外壁に面する内壁を解体して工事を行う内容でした。
私も木造建築の仕事を始めてかれこれ28年経ちますが、ほとんどの現場で経験値だけで済んだ事がありません。
やっぱり有りました。お風呂の窓です。既存の浴室サッシが入隅に付いてます。外壁を壊さずに施工する事で打合せをしていたので、このままではユニットバスが納まらない。
いろいろと調べてみたところ良い商品が有りました。某メーカー商品のリプラスサッシを連窓(つなげて)して、ユニットバスの壁裏側になる部分はFIX窓に断熱パネルをはめ込み、浴室内部には縦スベリ窓のみが見えてくる納まりで無事に工事が出来ました。

住みながらできる快適性アップ

今年の冬は寒くならないと思って年初頃でしたが、その後雪も降り、ちゃんと寒い日がやってきました。夏は暑く、冬も寒く、日本の家で快適に過ごすためには暑さ寒さの両方に対応しておけると良いですね。一昨年、寒さを改善したいとYさんからご相談頂きました。まだ築5年ほどとのことだったので、一体どれだけのことができるものかと思いながら現地を確認に伺いました。
平屋で面積は広くないものの窓が大きかったり、窓の数も多かったり、
窓自体の断熱性能や、壁・床・天井に施工されている断熱性能がさほど性能が高いものではなかったり…と状況が分かりました。

「木の家」の実力

今年は本当に「暑い」夏でした。40℃に迫る気温も度々で、東~北日本も、もはや「亜熱帯」気候では?という声も聞こえてきます。暑い夏といえば、随分前になりますがタイのバンコクに旅行し、真夏の昼下がり、タイのシルク王・ジムトンプソンの旧住居だった「ジムトンプソンの家・博物館」を訪れました。タイの伝統的建築様式を取り入れたものでしたが、仄暗い室内のひんやりしたチーク材の床の足触り、深い軒から、緑濃い花の美しい庭に複抜ける風の心地良さが、今でも思い出されます。バンコクでもホテルやオフィスなどは、冷房を思い切り効かせて、外とは「別世界」というのが当時の最先端だったようですが、タイの自然と融和した「ジムトンプソンの家」は、都会のオアシス、といった雰囲気でした。風土の違いはありますが、亜熱帯になりつつあるらしい関東周辺でも、住まいには同じような心地良さが求められているのではないでしょうか。

中古住宅の調査診断を誰に頼むか?(ワンストップか、第三者性か)

最近、新築ではなく中古住宅を購入してリノベーションするという人が増えています。よほど状態の良い中古住宅であれば別ですが、購入するとなると、劣化状況や耐震性、断熱性などの性能も気になりますよね。国も、空き家対策や中古住宅の流通を活性化させるため様々な施策を講じていて、2016年には宅地建物取引業法の一部が改正され、専門家による既存住宅状況調査(インスペクションと言います)の活用を促すことが義務化されました。依頼者の意向に応じてインスペクション業者のあっせんの可否を示すという少々ややこしい法律で、インスペクションの実施自体は義務化されませんでしたが、通常の不動産取引の場にインスペクションという言葉が登場することになりました。これまでは、築年数や構造、面積や間取りといった基本的な情報のみで中古住宅を売買していましたが、これからは、中古住宅の劣化状況等も専門家が調査してから売買するという、購入者が安心して良質な中古住宅を選ぶことが出来る仕組みづくりが進められています。

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