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木の家コラム

窓の設計と、快適な室内環境の関係

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窓のデザインは建物の外観デザインのみではなく内部からの見えがかりや室内環境にも大きな影響があります。

お笑い芸人二人組が某ハウスメーカーの○○ホームの建物はUA値最高だからすごい、という宣伝を行っています。

でも本当にそれだけでいいのでしょうか?

実はこれだけでは大きな落とし穴があります。

UA値だけでは快適な室内環境はつくれない

確かにUA値性能を良くすれば建物から逃げていく熱は減ります。

ではどこから一番熱が逃げていくのでしょうか?それは窓です。

窓の大きさを小さくしていけば逃げていく熱の量は減りUA値は良くなっていきます。

ここでちょっと考えてみましょう。窓を無くしたら・・・・・・そうですUA値はさらに良くなります。

おやおや、この二人何を言ってるだ!窓を小さくしていけばいいのかよ!!となりませんか?

本当の目的は、快適な室内環境を創るためには窓の大きさや配置、さらにガラスの性能と選択をどのようにしたらよいか?となります。

快適な室内環境を創る為には夏は日射を入れないように、冬には日射を取り込むような窓の設計が重要です。この二つ日射の「遮蔽」と「取得」をバランスよく設計した建物が快適な室内環境の良い設計です。

専門的にはηAC、ηAHであらわされる数値です。(η=イーター 日射の取得と遮蔽を表す数値)

日本は冬の太陽日射が豊かな国です(特に太平洋側)、大きな窓が南側に開いていて太陽の暖かさを取り入れます。夏は窓外には外付けブラインドやシェードを取り付けて日射を遮ります。

UA値の数値だけを良くしても快適な室内環境は生まれなく、UA値は良いはずなのに冬は寒く快適ではない家があります。

そこで私どもの事務所では数年前から全棟UA値の他にηAC、ηAHの検証をし、数値化して確認しながら夏は涼しく冬はぽかぽかあたたかい快適な室内環境の為に、窓の大きさやガラスの性能、さらに方向や高さの検証をしつつ、周辺建物の影響も検証しながらバランスのよい快適な室内環境の設計をしています。

このコラムが皆さんに届くころには完成する、それぞれに役割を持った窓の写真を何点かご紹介します。

南側の大きな引込窓がバルコニーに向けて配置されています
東南の角の欄間です。東側の窓は日射遮蔽型、南側は日射取得型です
西側に窓はありません。窓が無くてもよいように間取り計画をしました
風専用の北側窓です。

窓の設計 なかなか奥が深いです。

一緒に検討しましょう。

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