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木の家コラム

木の家に「杉」を使う深いわけ

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インドネシア産のセランカンバツという木をご存知でしょうか。
ウッドデッキに使用されるだけあって、耐久性がありますが、水に沈みそうな非常に重い木で、日本人がイメージする木とは程遠いものです。
日本はよく「木の文化の国」と言われていますが、そのイメージは、「杉」がつくりだしたものと言っても過言ではありません

 

木材の専門家である有馬孝禮東大名誉教授は、「なぜ、いま木の建築なのか」という著書の中で、「スギの広い用途は我々の五感、すなわち視覚、聴覚、触覚、臭覚、味覚と木材の生活資材との係わり合いのなかで育ってきた。」と喝破しています。

人にとって、最も関心のあることは「食べる」ことですが、「おひつ」、「酒樽」、「味噌樽」、「箸」など、ほとんど「杉」が使われています。
太古以来の長い時の試練を経て、食べ物を扱う道具の多くに「杉」が使われるようになったのは何故でしょうか。

それは、食べ物の味や香りを害さないほど良い木の香り、殺菌効果はあるが人には害を及ぼさないほどほどの抗菌力、暖かいものは暖かく、冷たいものは冷たく保つ断熱性など、人にとって関心の高い健康に関わ
る安心・安全を感じさせるものがあるからだと思います。
木の家に「杉」を使うことは、ただ、木材費が安いという理由ではなく、より根源的なことに係わりを持っていることだと言えます。

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