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木の家コラム

住宅の床下空間

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「家族が増えた」「地震に強い家に」「冬が寒い」など理由は様々ですが、今ある家を改修したいという話をよく耳にします。
では、実際にその家は、どのような状態でどれ程の性能なのか。改修をするにしてもどのような状態かわからないのでは、計画をすることもできません。

そこで、計画前に建物がどのような状態か把握するため、小屋裏や床下に入り柱や梁の繋ぎ方や雨漏り、シロアリの形跡、断熱材の有無などを調査します。
普段生活していては見ることのない床下がどのような状況にあるのか、ここですこしご紹介をしたいと思います。

 

■床下にキノコが生えていた事例

これは床下に生えたキノコです。どこからか胞子が入り生えたものですが、他にも見られることからこの床下がキノコの生育するのに適していることがわかります。
建物周辺には、樹々がしげり都心の住宅地よりも湿度が高いことにくわえ、空気が通り抜けにくい基礎の形状のためだと考えられます。

床下の湿度が高い場合は、キノコだけでなくカビや木材を腐られる腐朽菌が発生しやすいため、改修時には地面からの湿気対策が必要です。

 

■シロアリの事例

写真の中央に灰色の線が入っていますが、これはシロアリが作る蟻道とよばれるものです。シロアリは地中から地上へ出る際に光や乾燥から身を守るため土の道をつくります。

この写真の蟻道は地中から床束をのぼり下地の合板まで伸びており、床下と小屋裏から確認したところ、柱や土台に目立った食害はありませんでした。
改修時には、コンクリートを打設したり、防蟻処理を行いシロアリが侵入しにくい状態にすることが必要です。

 

■断熱材がない事例

これは築39年の床下です。耐震と断熱改修の依頼があり調査をしました。冬が寒いということでしたが、写真のとおり床下には断熱材が入っていませんでした。

床下は外からの空気が入ってきているため、床は冷やされ、足元から寒さを感じていたと思われます。
予算的に全室を断熱改修するのが難しいため、寝室とトイレ、洗面所を重点的に改修計画をしています。

 

築年数だけでなく、工事内容や周囲の状況により床下の状況は様々で、どの住宅でもこのような状況が必ずしも発生するわけではありませんが、床下は建物を支える基となる部分なだけに、きちんと調査をする必要があると常々感じます。

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