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木の家コラム

設計者の目
階段はドラマチックな空間

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住宅の中で階段は、上下階の移動という目的で毎日使うところですが、「人の足」で重力に逆らって「垂直に」移動するために視点が変わり、身体の動きにリズムが生まれる、ということによって、明らかに気持ちのスイッチが入れ替わる場所でもあります。
下から見上げたり、上から見下ろしたり、で気分が変わりますし、屋根裏への階段などはワクワクしたり、階段は色々と物語の生まれそうな空間です。

 

 

階段と空間構成

住宅のプランニングでは、どこに、どんな形の階段を配置するか、によって全体の動線や各部屋の配置、床の高さ関係、つまり空間構成が決まると言えます。
その階段を中心に、住む人がどんな暮らしを展開していくのかを考えながら計画をまとめていくので、その住宅の一番大切なテーマが表れている部分が階段、ということにもなります。

 

階段と光のとり入れ方

上下階をつなぐ階段では、光の取入れ方の大切な要素です。
光あふれる吹き抜けに架けられた階段、細長い階段室に上から降りてくる窓の明かりなど、それぞれの住宅にふさわしい様々な形が空間を魅力的にしてくれます。

 

階段の高さ、踏み面の奥行

階段は人の足で一段ずつ上るので、段板の高さや幅は人の歩みによって寸法が決まってきます。
そのために階段が、周りの空間の大きさを把握する物差しにもなります。

住宅の設計例では、一段の高さが 20 ㎝弱、足が乗る踏面の奥行が 25 ㎝前後になるケースが多いのです。そのあたりの寸法が、住まい手さんは上りやすいと感じるようです。
巾も、法規上の寸法や手摺に注意が必要ですが、80 ~ 90 ㎝あるとゆとりを感じます。

 

直接触れる階段の素材

寸法や防滑性など、階段にとって安全性は最優先ですが、直接体に触れるという点では、快適さにつながる段板や手摺の材質・形も大切です。

ここに木の暖かさや美しさを活かすことで、心地よく楽しい階段空間が生まれます。

 

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