だいすきだから、
木の家コラム
「グループホームを「木の家」で
ー暮らしの中で自然を楽しむー
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今年3月に竣工した「グループホーム・新町の家」は、障がいのある人たちが住み慣れたまちの中で、あたり前に暮らすための「住まい」です。
運営する NPO 法人・とことこの家は長年、所沢市で、障がい者の生活を様々な場面でサポートする活動を続けてきました。
所沢市の、茶畑に囲まれた住宅地にある新町の家の敷地には、昨年まで築 33 年の木造2階建ての住宅が建っており、4-5人の障がい者の人たちが、サポートを受けながら生活していました。
正式なグループホームを立ち上げるにあたり、その建物を耐震改修して使うことも検討しましたが、建築基準法上等の問題があり実現には至りませんでした。
しかし、新築の際に国や県の補助金を受ける条件を満たせることになり、H24 年の夏に、計画がスタートしました。
新町の家は、前面に少し長めのスロープがあること以外は、外から見てもあまり変哲のない、ごくシンプルな印象の「住宅」です。
ただ、できるだけ木の家の良さを味わえる住いにしたいと思い、工事費のバランスの中で、構造と内装の床を中心に地元・埼玉の木をできるだけ多く使いました。
工事は ( 株 ) 比留間建工が手がけ、木材の扱いに慣れた大工さんを始め、様々な職種の職人さんたちが力を合わせて、ていねいに作っています。
大切な足元を支える床には、30㎜と15㎜の杉の無垢板を使い、リビングルームには、シンボルとなる八寸 (24 ㎝ )角の杉の柱も立っています。
ここに置いた座卓を囲んで過ごす食事の時間が、皆さんの楽しみになっているようです。
この家で過ごす人たちが、無垢の木に直接触れて、その感触を楽しみ、日当たりと風通しの良い部屋で、自然の恵みを身体でいっぱいに感じて、穏やかにゆっくりと暮らしてくれることを願っています。