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木の家コラム

怖い内部結露を防ぐには

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水蒸気は、私たちが息をしている空気の中にごく普通に含まれていて、水とは比べ物にならないくらい細かいため、建材の中にも容易に浸透していきます。
建材のなかに浸透していきながら一定の温度(露点温度といいます)以下に触れると水に変化 ( つまり結露 ) します。

ガラスのように水蒸気を通さない建材では表面に結露します。
外壁近くに合板のような水蒸気を通しにくい材料を張っていると、建物内部から外に向かって流れる水蒸気は合板でせきとめられ、露点温度以下に達すると結露することになります。

これが内部結露で、建物の腐朽を早める恐ろしい現象です。
実は、断熱性・気密性を高めた冬暖かい家にすると結露の危険性が高まってします。
したがって、断熱性・気密性を高めた場合には、あわせて結露対策をしっかりやっておくことが必要となります。

現在、国土交通省では、水蒸気が壁体内に入らないよう防湿気密シートをはるよう推奨し、その講習を全国的に進めています。
木の家だいすきの会では、木の家の気持ちよさの源泉は吸放湿性にあると考え、それを阻害しないよう、何とか防湿気密シートを張らない防露工法の開発を進めてきました。

 

ここで紹介する木の家は、断熱材は自然系のセルロースファイバーを採用した上、より水蒸気を通しやすい建材を外側に採用し、さらに通気層を確保することで、内部結露を防止しています。
温熱環境設計の一環として結露チェックも実施しましたが、設計通り結露が発生しないかどうか確認するため、壁の中に温湿度センサーを埋め込み、工学院大学建築学部中島研究室に依頼して 1 年間計測していることろです。

今回、計測データの中間報告がまとまってきましたが、内部結露の発生は見られず、防露設計の有効性が確認されました。

 

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