だいすきだから、
木の家コラム
馬と木材のはなし
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今年は「午年(うまどし)」ですが、昔から、馬と林業とは深い関係があります。
伐った木材を山から運び出し、その丸太を何本も積んだ荷車を町まで曳いていく、といった風景は、昭和中期までは良く見られました。しかし、機械化によって、ほとんど消えていきました。
伐った木材を山から馬を使って運び出す作業を「馬搬」と言います。日本では見られることの少ないこの「馬搬」も、ヨーロッパでは「ホース・ロギング」と呼ばれ、林業や森林整備の重要な作業として位置づけられています。
(遠軽町歴史資料より)
(西埜馬搬H.Pより)
(Working Horse F.Bより)
再び注目される「馬搬」
針葉樹の多い人工林では、一度に大量の木材を運び出せる重機での作業が中心ですが、針葉樹と広葉樹が混在する天然林では、環境保全や森林整備のために間伐が必要です。
そこでは、山の中で重機用の広い作業道路が不要、地面を踏み固めない、小回りがきいて森の木々を傷つけない、化石燃料を使わない等、地球環境に優しい「馬搬」の利点が注目されています。
また、原木を長いまま搬出できるのも「馬搬」の特徴で、寺院や神社の大黒柱や長い梁などの長尺材、家具用の大きな一枚板の様に付加価値のある木材調達にも、ひと役買っています。
その「馬搬」を、今の時代に、新しい価値観で復活させようとしている人たちが、岩手県や北海道で活動しています。北海道十勝の「ノースポール・ステーブル」では、そんな人たちが集まって、馬搬の技術の勉強会や情報交換を、楽しく行っています。
いつも中心になっているのは北海道厚真町で「馬搬」による林業を営む西埜(にしの)さん。町有林、河畔林、社有林、などの間伐や保全を、体重900㎏のばん馬のカップ君と一緒に行っています。危険なことも多い山の中の作業、そこで何より大切なのは、馬と人の信頼関係だといいます。そこには、はるかに大きな生き物と力を合わせて仕事をする喜びや楽しさがあります。(西埜さんは、ノースポールのカラマツ林で伐った馬搬材を使って、自宅を建てたそうです)
木材の水分量が少なく、雪によって地面の摩擦が少なく丸太が曳きやすい冬の時期が、「馬搬」の仕事のピークです。
西埜さんはここのカラマツ材で自宅を建てました。
(Working Horse F.Bより)