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木の家コラム

なぜ「伐採からはじめる家づくり」なのか

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家づくりがググっと深くなる

新築、リノベーションに関わらず、私たちがお勧めしているのは、「伐採見学からはじめる家づくり」です。
伐採見学会では、先人たちが50年60年以上かけて大切に育ててきた木の命をいただき、大黒柱や梁、床板などに利用される木が伐採されるのを見学します。澄んだ空気の森の中で、何十年もかけて大きくなった木が倒れる時の体の芯まで響く音と振動は、何とも言えず厳かな気持ちにさせてくれます。
立木は伐採されて命を絶たれますが、製材され大工さんによって家の中で第2の命を吹き込まれ、住まい手を見守ります。そんな過程を見て感じていただく。―それは、単に「家を買う」では味わえないことです。

これから建てるお家の大黒柱になる木を伐採して記念撮影♪
伐ったばかりの丸太の切れ端を抱えて、その重みを体感

森の循環利用が、暮らしやすさにつながる

本では戦後、復興事業などで木材需要が急増し、木がたくさん伐採され、禿山が目立つようになりました。植林により人工林の増大を図りましたが、その成長を待つ間に外材の輸入に頼ることになり国産材の需要が低下しました。それにより日本の林業は衰退し、林業従事者も長期にわたって減少し続けました。森林は十分な手入れがされず、荒廃が目立つ森林が放置されることになりました。

日本の国土の2/3は森林です。これは、カナダよりもアメリカよりも多く、森林大国であるフィンランド、スウェーデンと肩を並べるほどの数値です。
そして、その森林の4割が人工林で、いまや本格的な利用期を迎えています。

100年かけて育った木は100年大切に使う。 ―森の成長量に合わせて木を活用し、伐採→活用→植林→育林という循環利用を適切に行うことが、雨をたくわえ、土壌の流出を防ぎ、水を浄化し、二酸化炭素を吸収し固定するといった、私たちの生活環境の向上につながります。そして、森にはたくさんの生物、微生物、植物が暮らしていて、持続可能なエコシステム(生態系)を育んでくれます。

まずは、ふぅーと森の新鮮な空気を吸って、森の恵みを体感しませんかー。

2022年は、11/20(日)に伐採見学会を行います。
伐採見学会の後には、森時間をふんわりと手漉き和紙に漉き込むワークショップも行いますよ。

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