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木の家コラム

伐採見学会 事始め

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木の家だいすきの会の活動を始めた当初、何から手をつければよいのかが課題でした。
そこで、まず手掛けなければならないことは、「近くの森の木で家をつくる」ことを消費者の方に身近に感じてもらうことだと見定めました。このためには、まずは森に足を運んでもらうことから始めよう、ということで、伐採見学会をどうしても開きたいと考えました。

 

木を使うことが森林保全に役立つ

しかし、「木を伐ることは森林破壊ではないの?」と受け取られる懸念があり、設立当初から始めたセミナーで、「日本では木の伐採は森林破壊になりますか、それともそうではないですか?」という質問をしてみることにしました。現在では質問する意味もほぼなくなりましたが、当時は「森林破壊になる」と回答した方の割合が3割割程度もあり、さらに、日本で「木を使うことが森林保全に役立つ」という理由を正確に回答できる人はごく少数でした。

 

こんな状況だからこそ、伐採見学会を実施すべきと確信し、翌年の2002年10月に埼玉県飯能市で記念すべき第1回の伐採見学会の開催に漕ぎつけました。

翌年には、飯能市のOさんの森、ときがわ町のMさんの森というように、森林所有者にお願いして伐採見学会を開催しました。

初めて開催した山の見学会ちらし(2002年10月26日)
森田さんの伐採見学会

2004年に入ると、組織的な動きができるようになり、埼玉県内の3団体が協力して埼玉県や都市再生機構の協力を得ながら伐採見学会を開催するようになりました。広報活動にも力を入れ、100人以上が大型バスで来場したり、マスコミの取材も受けるようになり、「近くの森の木を使って家をつくる」ということが一般にも周知され始めました。イベントの規模も大きくなり、関係者の調整に多大な時間を要しましたが、今ではそれほど準備に時間をかけなくても開催できるようになっています。また、こうした家づくりが地域の工務店でも浸透して、工務店1社が森林地帯の製材所などと協力して実施することも増えており、裾野が広がりました。

NHKの取材

伐採見学会は、紆余曲折をしながらこれまで大切なイベントとして続いていますが、現在は、3団体協力のイベントではなく木の家だいすきの会独自の取組としては、実際に家づくりに関心のある方を対象に、森に携わる人たちの森への思いを伝える貴重な機会になるよう努めています。

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