だいすきだから、
木の家コラム
シニア世代の住まいづくり
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シニア世代の住まいづくりには、仕事や子育てに追われる若い世代とはまた違った課題があります。
子供の独立や、親の(時には配偶者の)見送りによる家族の減少、仕事からのリタイアによる生活パターンの変化、自分自身の体力の低下、いずれ訪れる要介護生活への準備、などで、それも人により事情は様々です。
そんな中でも、変化を前向きに受け入れて、新築、リフォーム、どちらの場合でも、今までの生活を見つめ直し、少しゆっくりとした毎日を楽しめる住まいを作っていきたいものです。
好きなもの、大切なものにこだわる。
相談にみえるシニア世代の方とお話をしていると、好きな事や趣味をお持ちで、それも長年続けてプロの域の方、初心者ゆえに何でも楽しい方、想像外の特技を持っている方、など実に様々です。
また、身の回りの物の形や素材、色にご自分の好みがはっきりあり、今までの生活の中で、それを貫いている方もいます。
年月を経て培われてきたそのような「大切なもの」「好きなもの・こと」を大切にして、住まいを作ることができれば理想的です。
◆茶室のある家
長年の趣味である茶道を自宅で楽しめる様に、茶室のある家を新築。
◆暮らしを楽しむ平屋の家
好きな料理と手仕事、読書などを楽しむコーナーを充実させた平屋の家。
距離感を大切にする。
家族の中でもお互いの距離はそれぞれ。長年の生活の中で変化するものでもあり、趣味や好みによって、よりその違いが際立つ場合もあります。
また、体調の変化、生活時間の違いによっても、自分の生活リズムを確保したい時が多々出てきます。そんな時も無理せず過ごせる空間があれば、気持ちが落ち着きます。
自分の空間を確保するためにそれぞれ個室を作る、難しい場合には本棚などで囲まれた自分専用のコーナーを作る、など工夫次第です。
◆ゆっくりと暮らしを楽しむ家
2階はご夫婦それぞれの個室を確保し、ダイニングの吹抜でつながる家。
安全に暮らせる工夫
ちょっとした時に感じる体の衰えは、誰しも避けることはできません。床の段差を減らしたり、開閉しやすい戸にしたり、広めの廊下やトイレにしたり、ということは、要介護者でなくても使いやすいものです。
ただし施設のような機能一辺倒の作りではなく、美しいデザインを心掛けたいところです。
◆暮らしを楽しむ平屋の家
広いトイレ+洗面所で介護にも対応できる。桧板の内装。
一緒に年を重ねる素材で作る
家の掃除や手入れをするのが、だんだん億劫になってくることも多くなります。
出来上がりは美しい新建材の住まいは、年月が経つとただ劣化する一方で、きれいさを保つのは難しいものですが、無垢の木材や漆喰、石材などの自然素材は適切で簡単な手入れで、年月を経るごとに味わいのある美しさを見せるようになります。