だいすきだから、
お施主さんと、設計者、大工がワンチームになり 実現した“完璧な家”
東京都日野市
2世代にわたる、木の家だいすきの会との付き合い
東京都日野市で暮らすFファミリー。2021年に竣工した新居は、リビングの目を引くタイコ梁はもちろん、漆喰、和紙など自然素材の魅力があふれる空間です。
ご主人は、もともと木の家育ち。その後一人暮らしや結婚後の住まいはそうではなかったため、木の家の魅力を再認識するようになったそうです。
「無垢の木の床を裸足で歩いた時の気持ちよさや、温度・湿度の快適さは、やっぱり木が一番。だから自分たちの家も木の家にしたいと思っていました」
そこで白羽の矢が立ったのが、木の家だいすきの会。実は、Fさんのご実家は木の家だいすきの会が手掛けており、その安心感もあってコンタクトを取りました。その段階で、ご夫妻の頭の中にはある程度のビジョンがあったと言います。
たとえば、アウトドア好きの奥様は「屋内でも光や風を感じられる家にしたい」ということ。ご主人は「生活動線をスムーズにしたい」といったように、夫婦間で理想の住まい像をふくらませていきました。
「家づくりは一生に一度の機会。だから無理かなと思うことも含めてやりたいことを全部、設計を担当したアトリエ・ヌック建築事務所にお伝えしました。それを無理だと言わずに受け止めてくれ、なるべく実現しようとしていただけたから、この家ができたんだと思います」(奥様)
家づくりにおいては、職人や建築士の技量はもちろん、お施主さんがしっかりとしたイメージを持つことが大事なようです。
工事現場で感じた、信頼できる職人の見分け方
工事が始まると現場に「足繁く通っていた」と話すご夫婦。その過程で気づきがあったと言います。
「工事現場は、いつも整然として綺麗だったのが印象的でした。家を建てる前に比較検討した建売住宅の現場では、資材を包んでいたゴミや道具が散らかっていることもありましたが、それとは全く異なる環境や飲食時なども私たちに対する気遣いを感じられました。それを見て、夫と『こんなに現場がきれいということは、ものづくりに対して真摯だということ。安心して任せられるね』と話したことを覚えています」(奥様)
現場を取り仕切ったのは、当麻工務店。この工事をきっかけに親しくなり、家にも遊びに行くほどの関係になったとか。
「当麻さんの人となりと仕事の丁寧さに触れるにつけ、感銘を受けましたね。こちらがやりたいということも、一生懸命に叶えようとしてくれる。そんな真っ直ぐな心が伝わって、家づくりを一緒に楽しむことができました」
設計者や工務店との相性が合うと、家づくりはより楽しくなります。木の家だいすきの会では、さまざまな個性や特性をもったメンバーが在籍しており、その中でお客様と相性が良さそうなチームをコーディネーターがアレンジします。そんな仕組みも、安心の家づくりにつながっているかもしれません。
どこにいても自然を感じる住まい
さて、木の家が完成しておよそ一年。
たとえば、「さすが!」とご夫妻が暮らしてみて感心したのは、庇の長さ。夏は日差しをセーブし、冬はたっぷりと太陽光が入る絶妙な長さにコントロールすることで、夏も冬も気持ちの良い空間になったといいます。また、階段部分は吹き抜けになっており、建物全体に風が循環。リビングからキッチンへの生活動線も吟味を重ね、「まったくのストレスフリーです」(ご主人)。
ほかにも、空間にリズムをつくる小上がりの畳スペース、吸放湿性の高いセルロースファイバーを用いた断熱、構造用合板を使わないグリーンエア工法による耐震性・耐久性の実現、自ら製作に携わった建具や手洗いボールにいたるまで、あらゆる点に気を配ってつくられたF邸。それらはアトリエ・ヌック建築事務所の腕によって実現されました。
特に気に入っているポイントについて伺うと、
「リビングです。3本のタイコ梁に加え、自分たちも加工作業を行った大黒柱や建具が見え、寝転んで見上げるだけで、いつも『木の家っていいなあ』と格別な気持ちになります」(ご主人)
「どこも気に入っているからこそ、体調や気分に合わせて過ごす場所を選べます。以前の住まいと比べ、暮らしの質が確実に上がりました」(奥様)
妥協なく邁進した家づくり。その結果を採点すると?と聞くと、ご夫婦は顔を見合わせて
「100点、いやそれ以上だね」
と即答してくれました。
「私たちの想いを具体的にしてくれるアトリエ・ヌックさん、それを現実にしてくれる当麻さん。そして、そんな素敵な職人さん達に出会わせてくれた木の家だいすきの会・山本さんに心から感謝しています。家は建てたらおしまいではありません。これから続く生活をそばでずっとサポートし続けてくれる存在は、私たちの大きな支えです」
木の家だいすきの会からのコメント
ご実家のお父様もモノづくりが好きで、大工さんと今でも仲良し。それを見て育ったからか?Fさんもご夫妻揃って、当初から大工・当麻さんの仕事ぶりに関心を持ち、自分達も参加して家づくりをしたい!という熱意があふれていました。そんな気持ちが設計者、職人たちをさらに奮起させてよいお家になりました。