だいすきだから、つくり続ける。

自然素材と知恵が詰まった無駄のない空間づくり

埼玉県所沢市

あたたかく丸みのある木の家に惹かれて

都心の家づくりでは、限られた土地をどう活かすかという点が重要です。埼玉県所沢市の樋渡夫妻のご自宅は、敷地29坪、建物23坪とコンパクトながら、空間を上手に活用した設計で、家族4人のゆとりのある暮らしが送られています。
もともと長らく建売住宅で暮らしていたご夫妻は、老朽化の問題を受け建て替えを決心。所沢市に事務所を構える木の家だいすきの会の話を聞き、施工した家を見学して、本物の木の家の良さを知ったと言います。

「使っている木に厚みがあって、あたたかくやわらかみのある感じがとても気に入ったんです」と話すのは、妻の敬子さん。早速、敬子さんは理想の家の要素をリストアップ。土間、屋根付きのサービスデッキ、対面キッチン、畳のスペース、リビングスルー階段、高い天井など、希望を全部書き出して。そのうち夫も便乗して『大型の本棚が欲しい』と言い始めました(笑)」
ご夫妻の要望を最大限取り入れるために、設計を担当するアトリエ・ヌック建築事務所の新井聡さん、勝見紀子さんは知恵を絞り、設計を進めていきました。

居心地の良さを、みんなのものへ

そうして完成した新居は、実際の大きさよりもずいぶん広く感じ、またユニークな仕掛けがたくさん。まず、玄関ポーチからサービスデッキにかけ、通り土間が南北を貫きます。土間の上は吹き抜けになっており、光がよく入る明るい空間に。また、通り土間からすぐリビングに入れるつくりとなっており、境界がないためか、とても広く開放的な印象です。
「夕食はリビングで木のテーブルを囲み、4人そろっていただいています。ひとりでいるときは、ここで大黒柱に寄りかかって映画を見る瞬間が幸せですね」(敬子さん)
一方、読書家である夫の博幸さんの要望だった大型本棚は、土間に大きく備え付けられており、目を引きます。

加えて階段にも設置し、文学書から映画のDVDまでコレクションが並べられています。さらに、2階にはオープンスペースが設えられており、孫の美海ちゃんと机を並べています。

「ここで本を読んだり、くつろいだりしています。孫には嫌と言われるまで隣にいてほしいですね(笑)」
と、博幸さんは頬を緩めます。
広く感じるのは、こうした空間の各所に収納スポットが設けられ、モノが床に置かれていないということも関係していそうです。

五感で感じる木の家の良さ

博幸さんによる設計検討時のイメージ画
本の並ぶ階段は完成後のイメージとそっくりに

娘の風美子さんは、かつての家との違いに「快適度」を挙げます。
「⾵の通りがよくて、仕事から帰宅した時も空気が淀んでいないんです。それと、前の家はと ても冬が寒かったのですが、リビングや⼟間に床暖房が設置されていることもあって、この家ではほとんど寒さを感じなくなりました」

実際、樋渡邸ではしっかり断熱設計し、調湿性・防音性にも優れたセルロースファイバーを導入したことにより、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるようになりました。木の家だいすきの会では断熱にも力をいれており、最新の知見を活かしてより快適な自然素材の家を目指しており、まさに樋渡邸もそのひとつです。

ちなみに美海ちゃんは、家にいるときは裸足になって、無垢の床材のあたたかみや感触を楽しんでいるそう。また、遊びに来た友だちに「木の香りがする」と言われてうれしかったことも。
コンパクトでも息苦しくなく、あたたかみにあふれた家は、自然素材と家族の絆がもたらしている、と言えそうです。

木の家だいすきの会からのコメント

最初に相談に来られた時から希望されていた玄関から続く土間や、丸いちゃぶ台のあるくつろぎ空間など…。見事に実現されましたね。延床面積は大きくないのに狭く感じないのは空間を使い尽くした設計の妙ですね。

この住まいの施工事例

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