高齢者と暮らす住まい
現代では核家族での生活が一般的ですが、いずれは家族の形が変化し、拡大家族として暮らすことも珍しくありません。そのきっかけの一つとして多いのが、夫や妻の両親のうちどちらかが一人暮らしとなり、生活の不安から同居を考えるケースです。その際には、新築やリノベーションを機に同居を始めることもあります。 しかし、年齢や生活背景の異なる世代が同じ家で暮らすには、生活リズムや価値観の違いから、無意識のうちにお互いに負担やストレスを感じる場面が出てきます。だからこそ、「どうすれば高齢者と気持ちよく暮らせるか」を考えることは、家づくりにおいて大変重要な課題となります。 高齢者と同居するといっても、生活のすべてを共有することは現実的ではありません。食事の時間や睡眠のリズム、趣味や過ごし方はどうしても異なり、完全に同じ行動パターンを持つのは難しいからです。 例えばリビングと直結するような部屋は便利に思えますが、常に気配を感じることでお互いに落ち着かないこともあります。そのため、少し距離をとりながらも行き来しやすい空間配置が望ましいといえます。 ただし、反対に独立性が強すぎて互いの存在が見えなくなるのも考えものです。気軽にリビングへ出てこられる程度の距離感、つまり「近すぎず遠すぎず」が理想的な関係をつくります。
