だいすきだから、究める。

木の家コラム

高齢者と暮らす住まい

 現代では核家族での生活が一般的ですが、いずれは家族の形が変化し、拡大家族として暮らすことも珍しくありません。そのきっかけの一つとして多いのが、夫や妻の両親のうちどちらかが一人暮らしとなり、生活の不安から同居を考えるケースです。その際には、新築やリノベーションを機に同居を始めることもあります。 しかし、年齢や生活背景の異なる世代が同じ家で暮らすには、生活リズムや価値観の違いから、無意識のうちにお互いに負担やストレスを感じる場面が出てきます。だからこそ、「どうすれば高齢者と気持ちよく暮らせるか」を考えることは、家づくりにおいて大変重要な課題となります。 高齢者と同居するといっても、生活のすべてを共有することは現実的ではありません。食事の時間や睡眠のリズム、趣味や過ごし方はどうしても異なり、完全に同じ行動パターンを持つのは難しいからです。 例えばリビングと直結するような部屋は便利に思えますが、常に気配を感じることでお互いに落ち着かないこともあります。そのため、少し距離をとりながらも行き来しやすい空間配置が望ましいといえます。 ただし、反対に独立性が強すぎて互いの存在が見えなくなるのも考えものです。気軽にリビングへ出てこられる程度の距離感、つまり「近すぎず遠すぎず」が理想的な関係をつくります。

古くて新しい和室

部屋の名前にはリビングや台所、寝室など部屋の使い道を指す言葉になっていますが、「和室」は見た目の様子を表しています。床が畳敷き、床の間や押入れがあり、建具は襖や障子で出来ているイメージでしょうか。日本の昔の住まいでは、部屋と言えば畳敷きでしたから、どんな用途にも使われていました。現代の生活でもそれは可能ですが、多い使い道としては、座敷=接客のための場、茶の間=家族のくつろぎの場、予備室=客用の寝室、の3通りが考えられます。

玄関とアプローチ

通りから奥まった位置に玄関のある住まいを設計することがあります。
そういったお宅では、道路から玄関ポーチまで、アプローチが長く延びるつくりとなります。隣家の迫る密集地の、特に間口の狭い敷地は、日陰が多く風通しも悪くなりがちです。
敷地の奥の部分は周囲の建物の影響を強く受けるためそれが顕著なのに対し、道路に近い部分は遮るものが少ないので、採光や通風が得られやすく、奥まった部分より居住性に勝ります。
このような環境での住宅計画では、居間など家族が多くの時間を過ごすスペースを、道路に近い部分に配置するのが得策です。
間口と日当りの制約で、道路寄りに配するスペースが限られるなら、水廻りや収納といったサブの部屋は奥の方に配置することになります。
玄関も同様に捉え、「道からすぐに玄関」の先入観を捨ててプランニングした。方が、暮らしよい住まいになることがあるのです。