マンション住戸の内装すべてを取り払い、鉄筋コンクリートの床・壁・天井が剥き出しとなった状態から、新たに間仕切りや床・天井を造ったリフォームです。
上下階を貫く縦配管とサッシ・玄関ドア以外は自由に造り替えることが可能なため、以前の間取りにとらわれることなく、一からプランニングを行いました。
●大きくは、キッチン位置を西から東に変え、細々と区切ってあった部屋をオープンにしました。
●壁・床・家具にふんだんに杉のムク板を使い、
●ホタテシックイを塗った天井、障子や建具など、仕上げに自然素材を多用し、
マンションとは思えない、温かみのある木の空間が実現しました。
改修前
20年を経て黒ずんだビニールクロスの内装。北側の部屋ではカビも。改修後
最も面積を割いたLDKの、一部に設けた3畳+板床のタタミコーナー。窓にはタイコ貼りの障子を建て込み、断熱性を高めました。天井に梁型が表われるのはマンションの宿命。内法上を白一色としたのは凸凹を目立たせなくする工夫。
対面キッチンの食堂側カウンターは高めに設定し、キッチンのゴチャゴチャを見せないように。吊戸棚は設けず天井面の広がりを優先。
既製のシステムキッチンを使わず、他の造り付け家具と同様に杉材で製作したキッチン。収納するものに合わせて、引出しの配置や高さを決めている。
家電収納&食器棚。リビング部分からの視線を考慮し、上部は戸を建て込み閉じられるように。キッチン家電は腰高より下に組み込み、引き出して使用。
アイランド状に配置したキッチン脇部分。跳ね上げテーブルをセットすると臨時の配膳台に。
概要
建物概要: マンション、築年数:20年、延床80㎡
工事内容: ●間仕切り、床、天井を撤去し、自然素材仕上げにて新設
●水廻り位置変更、給排水管の取り換え
●住設機器の一新
●開口部に、障子・内窓設置
設計期間: 5ヶ月
工 期: 3ヶ月
完 成: 2009年
この家づくりに関わったメンバー
設計・監理 : 新井聡・勝見紀子(アトリエ・ヌック)
施 工 : 内山工務店
コーディネート: -
その他
リフォーム前は窓及び壁に見られた結露も、内窓取り付けと、吸放湿性能の高い自然素材内装により改善された。