だいすきだから、究める。

木の家コラム

古材をリユースした住まいづくり -新しい場所で生き続ける古いもの達-

新築や改修の計画を進める際、建物の解体を伴うことがしばしばです。
多くの場合、建て主さんが長らく暮らした住まいで、思案の末に取り壊すことを決めた建物です。
建物自体は無くなる運命でも、使われているひとつひとつの部材は、傷みの程度が浅くまだまだ活躍してくれそうなものが少なくありません。なかでも年月を経てきた古い建物ほど、そういった部材に目が行きます。
建て主さんが思い入れを話されて、何とか生かしたいと要望される場合は喜んで使い道を考えます。
私が一目ぼれし、設計に取り入れる提案をさせていただくこともあります。 

子ども部屋 どう考える?

ファミリー世帯の住まいのプランニングをする際、コンパクトな建坪でも、皆が集う居間や食堂はのびのびできる広いスペースとなるように考えます。そんな中、個室である子ども部屋には大きな面積を割くことはできません。
子ども部屋は何でも賄える広い空間にする必要はないものの、兄弟姉妹が小さなうちは二室分の部屋を区切らずに広く使わせるのがお薦めです。
場所や物を共有して使う経験をさせ、自分たちなりのルールをつくるなど、そこから学ぶことが少なくないと思います。子どもにより適した年齢は様々ですが、いずれ個室が必要な時が来れば、狭いなりにうまく使えるような分割方法を考えておきます。
将来、子どもが独立し家を出た後には、多様な使い方ができるよう、簡単に元の一室に戻せるような分割が理想です。 

設計者の目 吹き抜け窓

住まいのつくり様で、すっかり定着してきた吹抜け空間。
一昔前は、見栄えはいいが寒いと敬遠されることが少なくありませんでした。
解放感あふれる雰囲気だけでなく、採光や通風の面で有利なこと、家族空間と上階の個室をつなぐ役目があることなど、吹抜けのよさが広く認知されるようになりました。同時に断熱性能の向上が寒さという欠点を補うようになり、吹抜けは多くの住まいで取り入れられています。
採光や通風を期待しての吹抜けですから、窓が大事な要素になります。光を得るために大きな窓を設けたいところですが、高い位置にあるだけに一般的な高さの窓のようには扱えません。
開閉や清掃には工夫が必要ですし、高窓ゆえにコールドドラフト現象への対策も講じておかなければなりません。実例を挙げて、その工夫と対策をご紹介します。※コールドドラフト現象:冬季、暖かい室内の空気が冷たい窓ガラスに触れて冷やされ、床面に下降する現象 

設計者の目
巾はぎ板でつくる家具・造作
無垢使いの可能性を広げた「巾はぎ板」

 巾はぎ板とは集成材の一種で、木材を貼り合わせることで大きな面にした板材です。
一般的な集成材は、小さなブロック片をたて・よこ両方向につなぎ合わせるのに対し、巾はぎ材は 10 ~ 20cm巾の広めの材を、横方向にだけはいだものです。一枚のはぎ板が大きいので、自然な木目が感じられ、より無垢板に近い印象があります。はぐ部分が少ないため、接着剤の使用も抑えられています。無垢板で家具を造る際、巾の広い一枚ものの板を使うのは魅力的ですが、樹齢のいった大木からしか取れないため、量が少なく高価です。
手に入った場合も、巾が広いほど反りや捻じれが強いため、時間をかけた乾燥やクセを抑える加工が必要で、簡単には扱えないのが実情です。巾はぎ材は、柱を取ったあとの端材や、小径木や間伐材などからつくることができ、資源の有効利用になっていること、木表・木裏を交互にはいで反りや捻じれを軽減してあること、必要な長さや巾で製作できるなど、使用しやすい工夫がなされている板材なのです。

設計者の目 木の家あったかリフォーム
-シニアにお勧めしたい、カラダにやさしい住まいの改修ー

 今冬の寒さもピークは越えたものの、まだまだ暖房フル稼働の日が続きそうです。
そんな中、リフォーム後初めての冬を迎えているYさん宅にお邪魔する機会がありました。
お子さん達が独立されて夫婦二人暮らしのYさん宅は築25年。老後を見据えたセカンドライフのためリフォームを行うに当たり、重点を置いたことの一つが建物の断熱化でした。伺った際にYさんは「厳寒期早朝の温度記録」と題した一枚の紙を示してくれました。
12月から1月にかけての約1か月間、Yさんは起床後の無暖房状態の室温を毎日記録されていて、その結果をまとめたものでした。それによると1階の居間と2階寝室で、いづれも外気温より13~16度高く、居間では平均室温が15度を上回ったという結果でした。
一日で最も気温の下がる早朝、暖房を運転する前の測定です。
リフォーム前は同じ時期で5度程度と記憶しているとのことですから、断熱により実に10度の室温の下降を防いだことになります。