だいすきだから、究める。

木の家コラム

「おうち」を見直そう

おうちごはん、おうち時間、おうちピアノ、おうち体操、おうちダンス、おうち〇〇...
毎日、通勤せずに、リモートで仕事をする時間も増えています。新型コロナウイルスは全ての人の暮らしや仕事に、さまざまの変化をもたらしていますが、中でも、ソーシャルディスタンスの確保など人と人のコミュニケーションへの影響は大きいものがあります。
約3万年前に絶滅したネアンデルタール人をはじめとする多くの「人類種」の中で、唯一生き残ったのは私たちホモ・サピエンスです。絶滅と生存の分かれ道となった要因に、このコミュニケーションのあり方が大きく影響したと言われています。 ところで、身近なところに引き戻して考えてみると、どのような変化が起きているでしょうか。・会社には週1日程度行けばよくなった。
・リモート会議の機会も増えたが、情報交換は可能だけれど、アイデア出しなどの意見交換は対面が勝ることを実感した。
・通勤時間が無くなった分、自宅で過ごす時間がとれるようになって、家族と過ごす時間も増えた。
・外出しないと、運動不足で食べる機会も増え、太り気味となった。
・子供も自宅でインライン学習の機会が増えた。
・仕事だけでなく、自宅でいろいろなことをする機会が増えた。
・家族が一緒にいる時間が増えると、良いことばかりでなく、子供をしかる機会が増えたり、夫婦げんかすることも多くなった。
・自宅ばかりにいるとストレスがたまるので、家の周りを散歩する機会が増えた。
・隣近所の人と顔を合わせる機会が増え、挨拶をするようになった。
・毎日散歩していると、地域に思のほか空き家が多いことに気が付いた。
   新型コロナ感染防止のため、自宅で過ごす時間が増え、あらためて自分の住まいや隣近所を見直した人も多いのではないでしょうか。
これから、家族や隣近所とのコミュニケーションのあり方が変わり、確実にその関係性にも変化が生じるでしょう。
木の家を建てたOBの方から、「居心地良いせいか、お客さんが“長居”をすることが多い。」という話しはよく聞きますが、空間は人と人のコミュニケーションに影響を与えます。
自宅にいることが増えるこの機会に、今一度住まいのあり方について考えてみてはいかがでしょうか。

お家の耐震性能について

2016年に、熊本県で震度6強から7の大規模な地震が起こりました。
建築基準法の耐震基準では、中規模の地震(震度5強程度)でほとんど損傷しないこと。大規模の地震(震度6強~7程度)で倒壊・崩壊しないことが求められており、これは大地震でも命を守るための最低限度の基準といえます。
熊本地震以降も震度5以上の地震は各地で発生しており、今後も中規模以上の地震が起きることが予想されています。

しあわせな家

昨年リフォーム工事を行った「目黒の家」は、鉄筋コンクリート3階建ての住宅です。先日、点検があり訪問したところ、こんなものを見つけました。
施主のご主人が木の切り文字を購入し、戸棚の扉に貼ったとのこと。これを見た時、この建物は本当に「しあわせな家」だな、と思いました。この家が竣工したのは1989年です。1階に両親、2,3階に息子(現在の施主)夫妻と娘2人、の4人家族が住む二世帯住宅でした。
数年前に両親を見送った後、今度は1階に施主夫妻が移り、2,3階に次女家族が住むために、今回のリフォーム工事となりました。
28年間大切に住んだ家で、2017年 新たな形の生活をスタートさせる、という気持ちがこめられています。

住宅の床下空間

「家族が増えた」「地震に強い家に」「冬が寒い」など理由は様々ですが、今ある家を改修したいという話をよく耳にします。
では、実際にその家は、どのような状態でどれ程の性能なのか。改修をするにしてもどのような状態かわからないのでは、計画をすることもできません。そこで、計画前に建物がどのような状態か把握するため、小屋裏や床下に入り柱や梁の繋ぎ方や雨漏り、シロアリの形跡、断熱材の有無などを調査します。
普段生活していては見ることのない床下がどのような状況にあるのか、ここですこしご紹介をしたいと思います。 

マンションにも自然素材を

 はじめまして、mokki 設計室の工藤夕佳と申します。
東京都千代田区九段下に事務所を構え、設計活動を行っています。
どうぞよろしくお願いいたします。最近は住まいのリフォームが増えています。木の家というと木造戸建住宅というイメージがありますが、マンションリフォームを木や自然素材を用いて行うことによって心地よい空間をつくることもできます。 

設計者の目 木の家あったかリフォーム
-シニアにお勧めしたい、カラダにやさしい住まいの改修ー

 今冬の寒さもピークは越えたものの、まだまだ暖房フル稼働の日が続きそうです。
そんな中、リフォーム後初めての冬を迎えているYさん宅にお邪魔する機会がありました。
お子さん達が独立されて夫婦二人暮らしのYさん宅は築25年。老後を見据えたセカンドライフのためリフォームを行うに当たり、重点を置いたことの一つが建物の断熱化でした。伺った際にYさんは「厳寒期早朝の温度記録」と題した一枚の紙を示してくれました。
12月から1月にかけての約1か月間、Yさんは起床後の無暖房状態の室温を毎日記録されていて、その結果をまとめたものでした。それによると1階の居間と2階寝室で、いづれも外気温より13~16度高く、居間では平均室温が15度を上回ったという結果でした。
一日で最も気温の下がる早朝、暖房を運転する前の測定です。
リフォーム前は同じ時期で5度程度と記憶しているとのことですから、断熱により実に10度の室温の下降を防いだことになります。

設計者の目
「時をつなぐ」住まいのリフォーム

 ここ数年、住まいの耐震性や省エネについての関心が高まる中で、家族構成やライフスタイルが変化する時期に差しかかった同年代(50-60歳台)の方々から、リフォームの設計依頼が何軒か続きました。
建物のリフォームに際しては、老朽度や耐震性をチェックする構造調査が、まず必要です。
それを基に、構造の補強や、老朽箇所の補修、断熱材の補充等により建物の基本性能を整えながら、暮らしやすさを考えた間取りの変更、水廻り設備の更新、建具や内外装の更新などを、必要に応じて行います。
お施主さんも20年、30年と住んでいるので、事前の聴き取りで家の歴史をうかがうと、様々な思い出話が出てきたり、天井裏をのぞいて小屋組みが見えると、過去の増改築の痕跡が解ったり、面白いことが色々あります。
このような中から、家に対する施主さんのこだわりや愛着を掬い取って、新しい計画に生かし、これまで積み重ねてきた時間が作り出す魅力を先につなげるのが、リフォームの意義だと思います。
手がけた事例でも、新築とはまた一味違う、しみじみとした満足感が、施主さんにも設計者にもありました。 

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