だいすきだから、究める。

木の家コラム

古材をリユースした住まいづくり -新しい場所で生き続ける古いもの達-

新築や改修の計画を進める際、建物の解体を伴うことがしばしばです。
多くの場合、建て主さんが長らく暮らした住まいで、思案の末に取り壊すことを決めた建物です。
建物自体は無くなる運命でも、使われているひとつひとつの部材は、傷みの程度が浅くまだまだ活躍してくれそうなものが少なくありません。なかでも年月を経てきた古い建物ほど、そういった部材に目が行きます。
建て主さんが思い入れを話されて、何とか生かしたいと要望される場合は喜んで使い道を考えます。
私が一目ぼれし、設計に取り入れる提案をさせていただくこともあります。 

地域の森の木を使って公共施設をつくろう

私の事務所があるのは、地元である埼玉県飯能市。
面積の約75%もの山林を持ち、江戸時代より「西川材」と呼ばれた木材の産地です。
私の家系は、山や林業に携わっている人はいませんが、せっかく地元が産地なのだから西川材の木の家を推奨しています。
建て主さんや建築地によっては、ときがわの木や、多摩の木を使うこともあります。 木の産地ですから、地元の公共建築物には「西川材」を利用するのが自然な流れですね・・・
コウ設計工房でも、時々小さな公共建物の設計を受け持つことがあります。以前、市の担当職員さんと、入札方式ではなく、プロポーザル方式で発注するのは難しいですか?・・とお話したことがありました。(簡単に説明すると、入札方式とは、設計金額を入札する中で金額により決まり、プロポーザル方式とは、企画提案を選ぶことで、設計者を決めます)
しかしながら、「設計者を決めるまでのプロセスや選定基準などが難しいなあ・・」ということで、今でも入札方式で決まるのが常です。 設計説明書では、「出来る限り西川材を活用した提案を行うこと」と書かれているのですが、我々のような地元の設計事務所が落札するとも限りません。地域材を生かした設計をしたくても、金額提示がうまくいかないと提案すらできないのです。公共施設の設計に手慣れた事務所は、役所が設計費としていくらくらいを想定しているかの見当を付け、最低金額を割らない、ちょうどいい塩梅で入札してきますので、コウ設計工房が受注できるのは、運しかありません。(経験値が低いのですね・・)公共工事の設計費は悪くないので、受注したい案件の場合など、比較的安い金額で入札したりしますが、最低金額より下回る金額だった場合に何度も失格になったことがあります。 数年前に受注した、駅前広場のトイレと山間部の小学校に隣接した学童保育施設では、構造材、内装材共に西川材を生かして実現できました。しかし、市外の設計事務所が設計を担当し、木に対して意識の低い工事会社が受注すると、西川材は少ししか使われないようです。
材木業者さんも嘆いていますが、何もできません。
木を生かす設計者、工事業者、役所の職員と協力してできる体制が出来ればこんなことにはならないのに、癒着だの談合だの騒ぐ人もいるから難しいんですね。

木のベットに思いをはせる

写真は2011年の完成見学会のときに撮ったもので、スギの無垢材で作ったベッドです。
建て主の方が特に願って建具屋さんに作ったもらったものでした。私は、この時はまだ還暦前で快眠を謳歌していましたので、あまり気にもとめていませんでした。
この時から10年経ち、歳を重ねるごとに、朝早く眼がさめて睡眠時間が短かくなったり、夜トイレに起きなくてはならなくなったりと、十分に寝られなくなるようになって、あの時の建て主の方の思いが理解できるような気がします。

住まいの温熱設計

正式なカウントの方法は定まっていないようですがヒートショックで亡くなる人は交通事故の約4倍とのデータがあります。
交通事故は交番などに表示が出ていることも多いので目にする方もいらっしゃるでしょう。
しかしヒートショックで亡くなる方の人数は各市町村の庁舎や町役場で目にすることはありませんし、交通事故死はニュースになりますがヒートショック死はニュース見たことがありません。最新の交通事故死者は年間2839人(2020年)一日に直すと7.8人/日になりますが、この4倍は31人/日という数字になりますので、一時間に一人以上の方が毎日亡くなられているということになります。
この数字にもう少し目を向けることが必要ではないかと感じています。 

鏡餅と地鎮祭

鏡は古代から神事に用いられるもの。鏡餅の名称はかたちが鏡に似ていることによるそうです。
ちなみに、三種の神器の他の二つ、勾玉(まがたま)は橙(だいだい)、剣は串柿です。
鏡餅は、年神様(としがみさま)が元旦に新年の幸をもたらすために高い山から降りてきてそれぞれのお宅に泊まるための依代(よりしろ)です。
鏡餅はお供えするだけではなく開いて残さず食べることが大切で、関東では松が明けた11日に鏡開きをし、鏡餅をおろして食べ1年の無病息災を祈ります。

住まいの自主点検のススメ ~住まいの致命傷を防ぐために~

寒くなり新型ウィルス感染が再び拡大してきました。皆さんは定期的に健康診断も受けられると思いますが、住まいの健康診断を受けたことはありますか?住まいも人間と同じように様々な病気になります。早期に発見すれば問題ないものも、放置して致命傷につながることや、修理に莫大な費用が必要となる場合もあります。 

「おうち」を見直そう

おうちごはん、おうち時間、おうちピアノ、おうち体操、おうちダンス、おうち〇〇...
毎日、通勤せずに、リモートで仕事をする時間も増えています。新型コロナウイルスは全ての人の暮らしや仕事に、さまざまの変化をもたらしていますが、中でも、ソーシャルディスタンスの確保など人と人のコミュニケーションへの影響は大きいものがあります。
約3万年前に絶滅したネアンデルタール人をはじめとする多くの「人類種」の中で、唯一生き残ったのは私たちホモ・サピエンスです。絶滅と生存の分かれ道となった要因に、このコミュニケーションのあり方が大きく影響したと言われています。 ところで、身近なところに引き戻して考えてみると、どのような変化が起きているでしょうか。・会社には週1日程度行けばよくなった。
・リモート会議の機会も増えたが、情報交換は可能だけれど、アイデア出しなどの意見交換は対面が勝ることを実感した。
・通勤時間が無くなった分、自宅で過ごす時間がとれるようになって、家族と過ごす時間も増えた。
・外出しないと、運動不足で食べる機会も増え、太り気味となった。
・子供も自宅でインライン学習の機会が増えた。
・仕事だけでなく、自宅でいろいろなことをする機会が増えた。
・家族が一緒にいる時間が増えると、良いことばかりでなく、子供をしかる機会が増えたり、夫婦げんかすることも多くなった。
・自宅ばかりにいるとストレスがたまるので、家の周りを散歩する機会が増えた。
・隣近所の人と顔を合わせる機会が増え、挨拶をするようになった。
・毎日散歩していると、地域に思のほか空き家が多いことに気が付いた。
   新型コロナ感染防止のため、自宅で過ごす時間が増え、あらためて自分の住まいや隣近所を見直した人も多いのではないでしょうか。
これから、家族や隣近所とのコミュニケーションのあり方が変わり、確実にその関係性にも変化が生じるでしょう。
木の家を建てたOBの方から、「居心地良いせいか、お客さんが“長居”をすることが多い。」という話しはよく聞きますが、空間は人と人のコミュニケーションに影響を与えます。
自宅にいることが増えるこの機会に、今一度住まいのあり方について考えてみてはいかがでしょうか。

お家の耐震性能について

2016年に、熊本県で震度6強から7の大規模な地震が起こりました。
建築基準法の耐震基準では、中規模の地震(震度5強程度)でほとんど損傷しないこと。大規模の地震(震度6強~7程度)で倒壊・崩壊しないことが求められており、これは大地震でも命を守るための最低限度の基準といえます。
熊本地震以降も震度5以上の地震は各地で発生しており、今後も中規模以上の地震が起きることが予想されています。

13456718