住まいのカタチ
ここ数年は新築よりも既存住宅改修や古民家調査の仕事が多くなってきました。昔の住宅と今の住宅の大きな違いは外との繋がり方の違いのように感じています。昔ながらの日本家屋は開口部が大きく、部屋も続き間で襖や障子で区切っていました。
今の住宅は、高気密高断熱化が進んだことで開口部は少なめ小さめとなり、部屋は個室化が進みました。熱の出入り部分を少なく、部屋も区切ることで、熱のコントロールはしやすくなったとは思いますが、空間としてのおおらかさは失われてしまうようで少し残念でもあります。 写真は東京国立博物館にある九条館という建物です。京都にあった九条邸の一部が移築されてきた建物です。外周部に縁側が回り、日中は開け放たれ夜は雨戸で閉じることができます。その内側に襖で仕切られた和室二間の周りをぐるっと廊下が配されていて、和室との間は障子で区切られています。雨戸を閉じると、屋外と和室の間は二重の空間で囲まれることになります。気密という意味では隙間はありますが、和室は二重の空気層で囲まれることで断熱性も考えられていたのかもしれません。また、室内の方の廊下の天井隅には小さな開口部があり、廊下に火鉢を置いた時の煙抜き用の換気口だったとか。
